オーケストラの重心の低くさや空気感を肌理細かく再現
話題のスピーカー、Rockford Fosgate T5652-Sを搭載したデモカーがイースセミナー & ショー2012に間に合わせたというので、早速イベント会場で聴かせていただいた。
デモカーは最新鋭ハイブリッドエコカーのプリウス。25mmリング・ラジエーター型LCPFドームトゥイーターは、ドライバーに正対し絶妙な角度でAピラーに埋め込まれ、16.5cmLCPFコーンウーファーは純正位置に創り込んだアウターバッフルでマウントされている。2本のT1D212サブウーファーは、リアシートバックにウーファーBOXを組み設置している。システムはクロスオーバーネットワークを使用したバイアンプ接続で2+1を構築。クロスオーバー周波数やスロープ、位相などを調整するリモートチューニングモジュールは、付属のケーブルを使いステアリング側に設置することで、手元でのコントロールを可能としている。
使用アンプは、フロント用に4ch機のT1000-4、サブウーファー用にはT1500-1bdCP、クロスオーバーネットワーク共々ラゲッジに機能美溢れたインストールを施している。ワイヤリングは最高の品質を誇るロシアのケーブルブランド、チェルノフオーディオのRCAオーディオケーブル、スピーカーケーブルとパワーケーブルを使用。デッドニングもロシアが誇るStPを採用。制振シート、吸音 & 遮音シート、アコースティックレンズ、低音制振シートなど豊富なラインアップを組み合わせて車室内空間をトータルコーディネイト。どちらも今年から扱う新ブランドである。
ソースユニットはcarrozzeriaのCDレシーバーDEH-P01と、ECLIPSEのAVナビAVN978HDとし純正位置を拡大して埋め込んでいる。DEH-P01の内蔵DSPでサブウーファーをコントロールし、タイムアライメントも駆使している様だ。
プロコフィエフのピアノコンチェルトを聴くと豪快そのもの。ユンディ・リのカデンツやアルペジオも肌理細かな手触りで描かれている。オーケストラの重心の低くさや広がりや空気感、深い余韻を大音量の中でも肌理細かく捉えている。瞬発力とともに強弱の起伏が深く音数も多い。全域にしっかりとしたエネルギーをもち密度も充分に高い、特に中低域から低域にかけて量感と安定感のある音調、最低域より低域から中低域にかけて、しっかりとした厚みが感じられる。サブウーファーは軽く補正的に鳴らしているようで、スピード感不足やふくらんだ感じにならないことが好ましい。オーディオ機器の存在を感じさせない密度感や音場感を備えた再現である。
- T5652-S
- 仕様:16.5cm2Wayコンポーネントスピーカー 標準小売価格252,000円(税込) ●最大入力:300W ●定格入力:150W ●公称インピーダンス:4Ω ●周波数特性:45Hz~40kHz ●能率:88,5dB ●取付穴直径:144mm(ウーファー部) ●取付深さ:71mm(ウーファー部)●スピーカーグリル:サイズ(幅×高さ)181mm×24mm