クロスカントリーという名前にディーゼルエンジンとくれば、それだけで気持ちが高揚する。自然を相手に遊ぼうと思うと、ガソリンスタンドが開いている時間帯に移動しない確率が高くなるゆえ、ワンタンクで走れる距離の長さは魅力なのだ。
本格的なSUVとしては『XC』シリーズがあるものの、このクロスカントリーだって最低地上高が200mmとなかなかの気合の入れっぷりである。ラフロード&雪道を常とするユーザーにしてみれば、200mmは最低条件だろう。
最低地上高がある→ヒップポイントが高い→乗り降りがしやすい→目線も高くなる→前が見渡せて安心する。ただ、アタマの位置が高くなるということは、それだけコーナーをまわるときに遠心力の影響が出やすいということである。
さあ、どうだ。そんな疑惑まんまんな気持ちで乗り込んでみたところ、いい意味で期待は裏切られる。アタマがぶれないのだ。上体が横にひっぱられることも少なく、つまりは視点もずれない。『V60』という、ある意味大柄なボディでも、実にスムーズにコーナーをクリアしていくのである。
加えてディーゼル。ターボでサポートされているとはいえ、どこからターボなのか、うっかりしなくてもわからない。さらには8速ATの滑らかさも加わり、なんとも上質でパワフルで質の高いオフタイムを楽しめるというわけだ。
質の高さといえば、インテリアの北欧スタイルもはずせない。冬が近づき星が近くなる季節は、北欧のクルマが2割かっこよく見えるのは、私だけではないと思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。