生産する軽自動車4車種について、国交省に提出した燃費試験データに不正があったことを公表した三菱自動車。「燃費性能を求めるため走行抵抗値を甘くする操作」がおこなわれたというが、実際の燃費はどうか。燃費管理サービス『e燃費』に投稿されたユーザーデータから実燃費を見る。
まず今回不正の対象となったのは、三菱『eKワゴン』『eKスペース』、OEM供給する日産『デイズ』『デイズルークス』の4車種。それぞれカタログ燃費(JC08モード燃費)は以下の通り。
三菱 eKワゴン/日産 デイズ:30km/リットル
三菱 eKスペース/日産 デイズルークス:26.2km/リットル
※各車種の最高燃費グレード参照
これに対する実燃費データは以下の通り。過去1年間の投稿データを参照。参考として競合車種3車種もピックアップした(各車種の実燃費データ値は、全グレードの平均値。競合車種を含めたサンプル数はおよそ300)。
三菱 eKワゴン:16.85km/リットル
三菱 eKスペース:14.62km/リットル
日産 デイズ:16.7km/リットル
日産 デイズルークス:14.2km/リットル
ホンダ N-WGN:18.57km/リットル
スズキ ワゴンR:18.83km/リットル
ダイハツ ムーヴ:18.60km/リットル
eKワゴン/デイズが16km/リットル後半、eKスペース/デイズルークスが14km/リットル中盤、カタログ燃費に対する達成率はおよそ50%台半ばとなっている。競合車種が18km/リットル台であるのと比較すると、同タイプのeKワゴン/デイズ比でもおよそ2km/リットル程度の差があることがわかる。いっぽうで、カタログ燃費(最高値)で見るとN-WGNは29.4km/リットル、燃費達成率は63.2%と10%近くも差があることがわかった。
実燃費を見てみると、開発時に想定した燃費値を達成することができず、加熱する燃費競争の中で販売に大きく左右するカタログ燃費を少しでも良く見せるために不正がおこなわれた、と捉えることもできる。現在三菱では内部調査を進めている。適正燃費については、1週間後に発表される見通しだ。