日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2016年5月24日付
●出生率1.46に回復、昨年、21年ぶり水準(読売・1面)
●日産・三菱自とEV開発、軽タイプ、18年発売で調整(読売・2面)
●三菱自副社長に山下氏、日産元副社長(読売・8面)
●東芝2000億円に減資、財務改善株主総会で提案へ(読売・8面)
●基礎からわかる自動車の燃費(読売・13面)
●スズキ屋外試験装う、燃費データ不正、書類に気象条件記入(毎日・6面)
●カルソニックカンセイ売却、日産、先端技術に資金(日経・1面)
●沈黙する「スリーダイヤ」(日経・2面)
●フィアットも排ガス不正か(日経・7面)
●トヨタ、フタバ産業に99億円追加出資(日経・11面)
●パナソニック、車関連の人員3割増(日経・11面)
ひとくちコメント
燃費データの不正発覚問題で揺らく三菱自動車が、開発部門を立て直すため、日産自動車の副社長を務め、現在は上級技術顧問の山下光彦氏を迎える人事を固めたという。
山下氏は、三菱商事出身の白地浩三常務執行役員らとともに、6月24日に開く株主総会後の取締役会を経て、開発部門を統括する代表権のある副社長に就任する予定だ。
5月23日付の日経夕刊が報じたほか、きょうも産経などが追随している。それによると、山下氏は1953年生まれの63歳。京都大学大学院で航空工学の修士課程を修了後、日産自動車に入社した生え抜き。
ゴーン体制では2005年から14年まで研究開発担当の副社長として電気自動車の開発などを手がけた技術畑のベテラン。
一方、日産は中核子会社の自動車部品大手カルソニックカンセイの保有株式(約40%)のすべてを売却する方針を固めたという。きょうの日経が1面トップで報じているが、売却金額は1000億円程度を見込んでおり、株式売却で得た資金を先端技術の研究開発に振り向けるそうだ。
三菱自の日産入りが明らかになってから2週間足らず。新たな経営体制の骨格が整いつつあるが、それにしても電撃提携にしては時間をかけずにトントン拍子で運んでいるのが不思議である。