ドゥカティジャパンは一部メディアに向けた試乗会『Multistrada 1200 Enduro Japan Press Launch』を開催し、最新モデル『MULTISTRADA 1200 ENDURO(ムルティストラーダ 1200 エンデューロ)』を披露した。
2003年に登場したムルティストラーダはモデルチェンジを繰り返し、昨年夏に新型の『ムルティストラーダ1200/S』が発売され5代目となっていたが、このムルティストラーダ 1200 エンデューロは、マキシ・エンデューロ・ツアラーという新しい市場へ参入するために開発されたもの。
排気量1198ccのテスタストレッタDVTエンジンやメインフレームは1200/Sと共通とするものの、前後17インチのホイールサイズをフロント19インチ、リア17インチにし、ホイールトラベルを前後とともに30mm伸ばして200mmを確保。オフロードでの走破性を高めるために、地上高を31mm上げて205mmとしている。
さらにフロントアクスルを16mmオフセットし、キャスター角も1度増やした25度に。トレールを4mm増加した110mmとしてサスペンションは専用のセッティングが施された。
また、ムルティストラーダ1200/Sではスイングアームを片持ち式にしているが、1200 エンデューロでは両持ちに。ホイールベースは65mm長くなり、1594mmとなっている。1200/Sでは2本出しのマフラーをハイマウントシングルサイレンサーに変更することで、ウェーディングの深さ(渡河水深)を478mm(+77mm)に上げているのも見逃せない。
オプションのパニアケースはツアーテック社との共同開発によるもの。右40リッター、左45リッターの容量を持ち、これに38リッターのトップケースを加えれば合計123Lと大容量の荷物を積載することを実現している。
発売に向けて、極限の状況下でテストと開発を繰り返してきており、オンロードはイタリア南部ナルドの試験コースにて、ハンドリングコースとハイスピードオーバルで4万kmにも及ぶテストを実施。
さらに一般道にて15万km以上、イタリア南部とスペインではオフロードを1万kmほど、プロのライダーやドゥカティ・テストチームが走り込んできている。
なお、身長175cmのテスターが跨ってみたが、片足立ちならさほど足着き性に不安はない。ただし両足を地面に出すとツマ先立ちになって、若干不安定に。シートは日本仕様の場合、ローシートが標準装備され、シート高は850mm。オプション設定の+20mmの欧州仕様にも座ってみたが、シェイプ形状が秀逸で意外にも足着き性がさほど変わらない。ハンドルの高さなどの兼ね合いを考えると、欧州仕様の870mmシートもなかなかいい。