2020年にフルモデルチェンジを受けた現行の『ハリアー』、発売1か月後には目標販売台数の約15倍の受注を獲得したという大ヒットモデルである。現在も安定した人気を継続しているハリアーとライバルモデルの比較を行った。第一弾は同じトヨタ車の『RAV4』との比較をお届けする。
◆ボディ外寸比較
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・ハリアー主要外寸(mm)
全長:4740
全幅:1855
全高:1660
ホイールベース:2690
最低地上高:190~195
・RAV4主要外寸(mm)
全長:4600~4610
全幅:1855~1865
全高:1685~1695
ホイールベース:2690
最低地上高:190~200
ハリアーとRAV4はTNGA GA-Kと呼ばれる同じプラットフォームを使っており、ホイールベースも同じ長さとなっている。全長はRAV4のほうが130~140mm短い。ホイールベースは同一なので、RAV4のほうがオーバーハング成分が短いことになる。全幅はほぼ同一で、RAV4のアドベンチャーが10mm広くなる。全高についてはRAV4がハリアーよりも25~35mm高い。最低地上高はハリアーが190~195mm、RAV4が190~200mmで大差はない。
続いて室内寸法とラゲッジルームの寸法、容量をみていく。
◆主要室内寸法
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・ハリアー室内寸法(mm)
室内長:1880
室内幅:1520
室内高:1215
・RAV4室内寸法(mm)
室内長:1890
室内幅:1515
室内高:1230
◆主要ラゲッジルーム寸法・容量
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・ハリアーラゲッジルーム寸法(mm)・容量(リットル)
定員乗車時最大長:985
2名乗車時最大長:1805
最大幅:1265
最大高:750
定員乗車時容量:409~408
2名乗車時容量:1045~1049
・RAV4ラゲッジルーム寸法(mm)・容量(リットル)
定員乗車時最大長:996~1015
2名乗車時最大長:1855~1880
最大幅:1355
最大高:845~880
定員乗車時容量:490~524
2名乗車時容量:1150~1168
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ホイールベースがRAV4と同一でボディ全長の長いハリアーだが、室内寸法はRAV4のほうが広い数値となっている。室内の寸法計測は外寸ほど厳格ではないが、同じトヨタ車なので横比較をして問題ないだろう。ボディ外寸が大きなハリアーのほうが室内長が短い。
室内高も低いのだが、これはハリアーのほうが車体高が低いので納得のいくところだ。外寸の話になってしまうが、数値を分析し推測すると、ハリアーの全長が長いのはデザインを考慮したもの。RAV4はクロスカントリー4WDの性能(アプローチアングルやデパーチャーアングル)を向上するために全長(前後オーバーハング)を抑えた設計としているとみていいだろう。ラゲッジルーム容量もRAV4のほうが多い。これはリヤゲートの傾斜角が影響していそうだ。
◆パワーユニットスペック
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パワーユニットはハリアー、RAV4ともに同一で2.5リットル直4を使ったプラグインハイブリッドとハイブリッド、2リットル直4のピュアエンジンの3種。スペックは以下に記載する。
・2リットルガソリンエンジン
タイプ:直列4気筒
排気量:1968cc
最高出力:126kW(171ps)/6600rpm
最大トルク:207Nm(21.1kgm)/4800rpm
・2.5リットルガソリンハイブリッド
エンジンタイプ:直列4気筒
エンジン排気量:2487cc
エンジン最高出力:131kW(178ps)/5700rpm
エンジン最大トルク:221Nm(22.5kgm)/3600~5200rpm
フロントモーター最高出力:88kW(120ps)
フロントモーター最大トルク:/202Nm(20.6kgm)
リヤモーター最高出力(4WDのみ):40kW(54ps)
リヤモーター最大トルク(4WDのみ):121Nm(12.3kgm)
駆動用バッテリータイプ:リチウムイオン
駆動用バッテリー電圧/容量/セル数:3.6V/3.7Ah/70個
駆動用バッテリー総電圧/総電力量:259V/13.7kWh
・2.5リットルガソリンプラグインハイブリッド
エンジンタイプ:直列4気筒
エンジン排気量:2487cc
エンジン最高出力:130kW(177ps)/6000rpm
エンジン最大トルク:219Nm(22.3kgm)/3600rpm
フロントモーター最高出力:134kW(182ps)
フロントモーター最大トルク:/270Nm(27.5kgm)
リヤモーター最高出力:40kW(54ps)
リヤモーター最大トルク:121Nm(12.3kgm)
駆動用バッテリータイプ:リチウムイオン
駆動用バッテリー電圧/容量/セル数:3.7V/51Ah/96個
駆動用バッテリー総電圧/総電力量:355.2V/18.1kWh
◆足回り&燃費比較
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ハリアーの駆動方式はピュアエンジンモデルがFFと機械式の4WD、ハイブリッドモデルがFFとリヤアクスルをモーターで駆動する4WDのe-Four、プラグインハイブリッドはe-Fourのみとなる。RAV4もパワートレインと駆動方式の組み合わせは同じだが、機械式4WDは少しシステムが違う部分がある。ハリアーの機械式4WDはトヨタが「ダイナミックトルクコントロール4WD」と呼ぶプロペラシャフト上に1つのカップリング配置する一般的なもので、RAV4のGおよびXもこの方式を採用する。
一方、RAV4のアドベンチャーとG・Zパッケージには「ダイナミックトルクベクタリングAWD」と呼ばれるシステムが採用される。「ダイナミックトルクベクタリングAWD」はプロペラシャフトではなく、リヤの左右ドライブシャフトにそれぞれ1つずつ、計2つのカップリングを装着する。カップリングが1つの「ダイナミックトルクコントロール4WD」では前後のトルク配分は行えるが、左右のトルク配分は行えないが、左右のドライブシャフトにそれぞれカップリングが配される「ダイナミックトルクベクタリングAWD」では、左右のトルク配分が可能。さらにリヤへの駆動トルクを断続するクラッチも備えている。
WLTC燃費は次のとおりとなる。( )内は4WDで単位はkm/L。
●WLTC燃料消費率
・ハリアー
ピュアエンジンモデル:15.4(14.7)
ハイブリッドモデル:22.3(21.6)
プラグインハイブリッドモデル:(20.5)
・RAV4
ピュアエンジンモデル:15.8(15.2)
ハイブリッドモデル:21.4(20.3~20.6)
プラグインハイブリッドモデル:(22.2)
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ハリアー、RAV4ともに使用燃料はレギュラーガソリンである。WLTCモード燃費をみるとガソリンモデル同士はさほど大きな差はない。ハイブリッドモデル同士ではハリアーのほうが若干だが燃費がいい。不思議なのはハリアーのハイブリッドとプラグインハイブリッドの燃費の差で、プラグインハイブリッドのほうが燃費が悪いのである。
予測としてはプラグインハイブリッドのほうが大きなバッテリーを積むのが要因だろう。しかし、同様に大きなバッテリーを積むRAV4のプラグインハイブリッドは燃費がいい。いろいろ調べてみたところ、要因として考えられるのはタイヤ外径が若干ながら大きいこと。タイヤが大きいと1回転で進む距離が長くなるので、燃費はいい方向に変化する。プラグインハイブリッドモデルのバッテリー走行可能距離はハリアーが93km、RAV4が95kmとなっている。
それぞれの価格とバリエーションは次のとおり。( )内は4WD。
◆バリエーション&価格
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・ハリアー/ガソリンモデル
S:312万8000円(332万8000円)
G:352万9000円(372万9000円)
Z:403万8000円(423万8000円)
Zレザーパッケージ:433万8000円(453万8000円)
・ハリアー/ハイブリッドモデル
S:371万8000円(393万8000円)
G:411万9000円(433万9000円)
Z:462万8000円(484万8000円)
Zレザーパッケージ:492万8000円(514万8000円)
・ハリアー/プラグインハイブリッドモデル(4WDのみ)
Z:620万円
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・RAV4/ガソリンモデル
X:293万8000円(316万9000円)
G:(366万6000円)
アドベンチャー:(368万4000円)
G・Zパッケージ:(383万6000円)
・RAV4/ハイブリッドモデル
X:353万8000円(379万1000円)
G:(430万4000円)
アドベンチャー:(430万3000円)
・RAV4/プラグインハイブリッドモデル(4WDのみ)
Z:563万3000万円
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ハリアーではFFと4WDを多くのグレードに用意する一方でRAV4は4WDを中心としたラインアップ構成。ハリアーはプレミアムSUVであり、RAV4はもともとがクロスカントリー4WDを意識したモデルであったことを考えれば当然の方向性だろう。また、両車ともにプラグインハイブリッドモデルは4WDのみの設定となっている。
ハリアーのガソリンモデルでは、FFと4WDの価格差は20万円。ハイブリッドモデルでは22万となる。RAVはガソリンが23万1000円高、ハイブリッドが25万3000円高という設定。
装備差などもあるので一概に横比較は難しいが、ハリアーとRAV4の同じグレード名での価格差も計算してみた。
ガソリン4WDのGではハリアーが6万3000円高、ハイブリッド4WDのGではハリアーが3万5000円高とその差はあまり大きくないが、プラグインハイブリッドになるとハリアーが56万7000円高とかなりの差が生まれる。
総じてハリアーは都会派でスタイリッシュにクルマを楽しいみたい人にマッチ。RAV4はアウトドア派でクルマにギア感を求める人にマッチするモデルだと言える。とくに2カップリング式のダイナミックトルクベクタリングAWDを求める方は、RAV4以外に選択肢はない。
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