テスラジャパンは1月24日、テスラ新宿ストアでメディア向けに発表イベントを行い、1月10日から受注を開始している新型『モデルY』の実車を国内初公開した。モデルYはテスラのモデルラインナップの中で最も販売台数に貢献する主力車種であり、2023年には世界の新車販売の中で一番売れたモデルとなった。今回のイベントでは実車に乗り込むことは叶わなかったが、新しく追加された機能の数々を確認できた。
◆新しいデザイン言語と新装備
お披露目されたのはテスラ最新世代のデザインを纏った、パールホワイトのモデルYだ。昨年発表された『サイバーキャブ』(ロボタクシー)や『サイバートラック』と同じ直線基調のデイタイムライニングライトを搭載し、テスラの新しいフロントフェイス群に仲間入りした。
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今回のアップデートで最も注目を浴びていたのは、量産車として初めて拡散反射を採用したリアLEDライトだ。写真では分かりにくいが、リアのライトが配置されている部分は奥まっており、近くで見ると造形が美しく作り込まれていることがわかる。そして、このライトは地面まで薄く照らせるような拡散反射ライトで、夜間は地面まで赤く染めることができるようだ。これら前後の新しいライトはモデルYをより未来的な佇まいにしている。また、Cd値も従来モデルの0.23から0.22に向上した。
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インテリアについては、現行『モデル3』(プロジェクト名ハイランド)と同じようにアップデートが行われ、15.4インチのセンタースクリーン、後部座席用の8インチスクリーン、アンビアントライトが装備された。方向指示器については、モデル3から変更されたステアリング上のボタン式ではなく、以前のモデルのように方向指示器レバーが再度装備されている。これは世界のモデル3ユーザーから指摘されていたようで、そのフィードバックを採用したとのことだ。
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機能面ではフロントバンパー下部に新しくブラインドスポットカメラが追加された。従来モデルにはフロントウィンドウの最上部にカメラが2つ搭載され、標準カメラと広角カメラが装備されていたが、新型モデルYからはこの新しいカメラでも前方の視界をより明確に確認できるようになった。テスラは完全自動運転の実現をカメラによるビジョンベースに依存しており、このカメラもデータ取得を行っていると思われる。
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◆実用性と快適性もアップデート
新しく設計されたフランク(フロントトランク)は業界最大級の117リットルもの容量を誇り、仕切り版を使って収納スペースをカスタマイズすることができるようになっている。また新たに排水口が追加され、さらに多様な使い方が可能になった。パワーリクライニング式の2列目シートをフラットに折りたたむと、トランクスペースは合計2130リットルを超える広いスペースに拡張できる。リアシートの背もたれは電動調整式となり、シート側面のボタンで調整ができ、センターディスプレイからもフルフラットにすることが可能。SUVとしての使い勝手がさらに向上している。
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サスペンションも全面的に再調整が行われ、乗り心地が改善したようだ。悪路などでの振動吸収性能が51%向上したとされている。遮音性についても同様で新しく複数のシーリング材が採用され、サイドミラーが変更になることで、従来のモデルと比べて風切り音が約20%、ロードノイズも22%低減したと説明された。モデルYで特徴的な巨大なルーフガラスについては、新たにシルバーメッキコーティングが追加され遮熱効率が26%も向上したという。
現在オーダーを受け付けているモデルは全てローンチシリーズとなり、新しいモデルYを記念した特別仕様のモデルだ。リアリフトゲート、ドアシルプレートなどに「Launch Series」の特別バッジが装着され、AWDモデルには加速ブーストが付く。ブースト使用時の0-100km/h加速は4.3秒となった。価格については、後輪駆動モデルが595万円(税込)から、AWDモデルが683万9000円(税込)となる。
◆日本国内での拡販を目指す
メディアプレビューの後、2024年から新しく就任したテスラジャパン代表の橋本理智氏は「モデルYは世界では大変人気の高いモデルで、今後日本でもFSD(Full Self-Driving)による自動運転が認可された時のためにも新しいモデルYで拡販を行いたい」と述べていた。また、「日本の昨年第4四半期の販売台数は前年度対比で大幅に上回った」とのことで、この勢いを2025年も加速させていきたいと抱負を語った。
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なお、新型モデルの登場に伴い、モデルYそしてモデル3についても、3月31日までに新車在庫車(モデル3はカスタムオーダー車も)を納車すると、5年間走行距離無制限、無料でスーパーチャージャーを利用できる特典を用意している。新型モデルYは2月1日までテスラ新宿ストアに展示予定とのこと。
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