サウンドファナティックのクラス分けとは
先週の企画で宣言したようにMycar-lifeデモカーはイースコーポレーション主催の巨大イベントであるACG2009にエントリーして実際に参加する事となった。出場するからにはもちろん上位入賞、あわよくば優勝を狙うわけで、そこに至るためにまずルールを知らないといけない。今週はMycar-lifeデモカーがエントリーするACGサウンドファナティックのルールを理解していこう。
まずサウンドファナティックは『アマチュアクラス』『プロクラス』の2種類がある。プロ・アマクラスの共通ルールとしてイースコーポレーション取り扱い製品内のスピーカーないしパワーアンプを装着している事。アマチュアクラスは自作でインストールしたクルマやプロショップでインストールしたクルマで自動車電装関連その他どこからも金銭的サポートを一切受けていないことが条件となっている。プロクラスは.カーオーディオや自動車関連の会社に従事し、インストーラー、営業マン、技術者などアマチュア以上に技術的な知識を学べる立場にいる人のクラスという事でMycar-lifeデモカーはこちらのクラスにエントリーすることとなる。
クラス分け
- アマチュアクラス
通常の小売店ルートから入手したシステムを使用して競技に参加する人のために設けられたクラス。参加者は自動車電装関連その他どこからも金銭的サポートを一切受けていないこと。
競技者はシーズン中ACG・SF に(サポートを受けていない)証明を求められた場合速やかに応じなければいけない。
スピーカーかパワーアンプのどちらかにイースコーポレーション取扱商品が使われていること。(プロアマ共通事項)
- プロクラス
カーオーディオや自動車関連の会社に従事し、インストーラー、営業マン、技術者などアマチュア以上に技術的な知識を学べる立場にいる人のクラス。
スピーカーかパワーアンプのどちらかにイースコーポレーション取扱商品が使われていること。(プロアマ共通事項)
サウンドファナティックの審査基準を知る
サウンドファナティックの審査基準は米国IASCAが承認する国際ルールを採用していて、『IASCAオフィシャルCD』内に収められている音源で審査を行う。審査項目は『トーナルアキュラシー』『サウンドステージ』『イメージング』『アブセンスオブノイズ』の4項目で審査される。
トーナルアキュラシー | 可能得点 110 ポイント |
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サウンドステージ | 可能得点 60 ポイント |
イメージング | 可能得点 50 ポイント |
アブセンスオブノイズ | 可能得点 10 ポイント |
まず一番配点の多い『トーナルアキュラシー』とはズバリ音の正確さを審査する項目だ。サブベース(1Hz~60Hz)ミッドベース(60Hz~200Hz)ミッドレンジ(200Hz~3KHz)高周波(3KHz~)ごとに音を再生してその正確さをジャッジする。同時に審査する『スペクトラルバランス』とは各周波数帯域のバランスを見る審査で測定器を使い目に見える形で結果が出る。
トーナルアキュラシー配点表
- サブベース(1Hz~60Hz) 得点1~20 ポイント
- ミッドベース(60Hz~200Hz)得点1~20 ポイント
- ミッドレンジ(200Hz~3KHz)得点1~20 ポイント
- 高周波(3KHz以上)得点1~20 ポイント
完璧 | 20 ポイント |
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特に優秀 | 16~19 ポイント |
優秀 | 12~15 ポイント |
平均 | 8~11 ポイント |
ぎりぎり | 2~7 ポイント |
要改善 | 1 ポイント |
- スペクトラルバランス(Total Sound Impression) 得点1~30 ポイント
完璧 | 30 ポイント |
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特に優秀 | 24~29 ポイント |
優秀 | 16~23 ポイント |
平均 | 10~15 ポイント |
ぎりぎり | 2~9 ポイント |
要改善 | 1 ポイント |
次の項目は『サウンドステージ』である。この審査はオーディオシステムで再現させたサウンドステージの境界線をはっきりさせ、その中でイメージの配置を審査する。リスナーに対するサウンドステージの方向とリスナーから見たサウンドステージまでの距離を審査する『リスニングポジション』、リスナーに対するサウンドステージの方向とリスナーから見たサウンドステージまでの距離や広さを審査する『リスニングポイント』、サウンドステージの平面上に垂直に伸ばした高さ(縦の広がり)を審査する『ステージの高さ』、いくつかの楽器や声がほかの楽器より前にあるように思える幻想をステージの奥行き(深さ)を審査する『ステージの奥行き』に別れている。詳細を以下の表組みにまとめてみた。
サウンドステージは車両内部の境界線を超えて聴こえる。 | 12~15 |
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サウンドステージは内部の境界線またはその辺りで始まった。 | 9~11 |
サウンドステージはリスナーの正面で直接始まった。 | 7~8 |
サウンドステージはリスニングポジションに現れるようだ。 | 5~6 |
サウンドステージは後ろから始まったか? 定めるのが不可能。 | 1~4 |
低音(ベース)が車両の後部から始まっている場合は得点から2ポイント差し引く。
ステージは車両の側面の幅が向こう側にまで広がっているよう。 | 14~15 |
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ステージは車両の両側面の幅まで及んでいる。 | 10~13 |
広いステージはおおむね車両の側面の幅に及んでいる。 | 6~9 |
車両の側面の幅よりかなり不足している狭いステージ。 | 2~5 |
ステージの幅はひどく圧縮されている(バーチャルモノラル)。 | 1 |
ステージは左から右まで不安定要素なく地平線上にあります。 | 14~15 |
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ステージは左から右まで多少不安定ではあるもののおおむね地平線上にあります。 | 10~13 |
ステージは左から右まで安定しているが地平線の下にある。または地平線の上にあるものの非常に不安定。 | 6~9 |
ステージは下にあって不安定。 | 2~5 |
ステージを定めるのが不可能。 | 1 |
ステージは左から右まで不安定要素なく地平線上にあります。 | 14~15 |
---|---|
ステージは左から右まで多少不安定ではあるもののおおむね地平線上にあります。 | 10~13 |
ステージは左から右まで安定しているが地平線の下にある。または地平線の上にあるものの非常に不安定。 | 6~9 |
ステージは下にあって不安定。 | 2~5 |
ステージを定めるのが不可能。 | 1 |
次に行われるのは『イメージング』の審査。このイメージングとは、サウンドステージで楽器の正確な位置とそれの大きさを再生するサウンドシステムの能力をいう。正確な位置とは、それらが実際に録音されたときの配置であると定められていてシステムがサウンドステージ上に楽器とボーカルを正確に配置できるかを審査する。このイメージング審査は位置に対しての点数と音のフォーカスに対する点数に別れている。
イメージははっきり位置がわかる。 | 20~25 |
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イメージは適当な位置からわずかにずれている。 | 15~19 |
イメージは適当な位置から相当ずれている。 | 10~14 |
イメージは適当な位置からひどくずれている。 | 5~9 |
イメージはモノラルに聴こえたり、位置を決めることが不可能。 | 1~4 |
イメージは正確に定まっていて、こまかいところも焦点がはっきりしていて生きているよう。 | 20~25 |
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イメージは定まっているが、こまかい箇所や焦点が多少はっきりしていない。 | 15~19 |
イメージは拡散している。 | 10~14 |
イメージはひどく拡散している。 | 5~9 |
イメージは相互から定めることがほとんど不可能。 | 1~4 |
カーオーディオの大敵であるノイズについても『アブセンスオブノイズ』という項目で審査される。ノイズとは車室内の条件によって発生する不要音だが、ケーブルの通し方やアンプのゲイン調整など注意する項目はいくつもあるが、音源に入っていないモノを再生するのは当然減点対象となる。いかに忠実な再生を行う事が出来るかが重要なのである。
完璧です。ノイズは見つかりません。 | 10 |
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目立つノイズはかろうじて1つあった。(パチッ、カチッなどの音) | 7~9 |
目立つノイズが2つ以上あった(パチッ、カチッなど) | 4~6 |
ノイズがひどい、(たくさんのパチッカチッという音) | 1~3 |
ノイズが聴こえているものの上から聴こえるまたは装置の1つかそれ以上の部分のスイ ッチがオンまたはオフになっていない。 | 0 |
サウンドファナティックでは音の審査はもちろんだがインストレーションに関しても審査が行われる。いくら音が良くても運転に支障が出るインストレーションではクルマとして不自由で安全性を損ねるからだ。
システムの安全性 | 可能得点 30 ポイント |
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取り付けの統合性 | 可能得点 25 ポイント |
プレゼンテーション | 可能得点 5 ポイント |
システムの安全性では『運転中の操作の安全性』『適切なパワーケーブルのサイズ』『適切なヒューズの容量・個数』『全てのワイヤーが適切に保護されているか』『ワイヤーの端末処理が適切に行われているか』『アンプ側ケーブルのヒューズが適切に装着されているか』など安全性を細かく見た審査となっている。
取り付けの統合性はドアやラゲッジのインストール状況を審査して見た目の美しさはもちろんの事、機能性・操作性・耐久性・独創性など多方面から見た審査を行う。サウンドファナティックが単純に『いい音』だけでは勝てない要因の一つである。
全てのドアにおいて機能性、操作性、デザイン、仕上がり、耐久性に優れ、独創的かつ魅力的である | 8~10 |
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全てのドアパネルが普通に製作されている | 6~7 |
フロントドアパネルにクオリティーの高いものが製作されている | 4~5 |
フロントドアパネルが普通に製作されている | 1~3 |
何も製作されていない | 0 |
フルカスタムでトランクルームおよび荷室スペースがオーディオ装着のために使用されている全てのパネルに一体感があり、機能性、デザイン、仕上がり、耐久性に優れ、独創的かつ魅力的である | 14~15 |
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クオリティーの高いウーファーボックスとアンプラックが製作され、キレイにショーアップされている | 12~13 |
トランクスペースにウーファーボックスとアンプが見えるように装着されている | 11 |
埋め込みタイプが装着されている全てのパネルに一体感があり、機能性、デザイン、仕上がり、耐久性に優れ、独創的かつ魅力的である | 9~10 |
クオリティーの高いオリジナルボックスとアンプラックが製作されている | 7~8 |
トランクフロアーやクオーターパネルにユニットが装着されている | 6 |
箱載せタイプが製作されているクオリティーの高いオリジナルボックスとアンプラックが製作されている | 4~5 |
オリジナルのウーファーボックスとアンプラックが製作されている | 2~3 |
既製品(市販品)のウーファーボックスにアンプが装着されている | 1 |
何も製作されていない | 0 |
サウンドファナティックの審査にはまだ重要な審査項目がある。それが『R.T.O(リアル・タイム・アウトプット)』審査。この審査は、外からの雑音などの影響を受けない中で、より高い出力レベル状態の中、全周波数帯域でどれくらいよく機能しているかを検査する。
RTO はSPL レベルとRTA カーブを測定し、両方を考慮してセッティングしたシステムがどう機能するか客観的に見ることが出来るよう考えられた審査項目だ。点数の計算方法はSPL とRTA の得点の合計から100 を引いた数字が得点となる。
最後の審査項目はジャッジに対しての『アピールポイント』だ。どういうコンセプトで車両を製作して音を調整したかなど自分のクルマの楽しさをアピールする場だ。
以上でサウンドファナティックのルールを網羅したわけだが、こうやってルールをまとめてみると非常に多岐にわたって細かい審査項目が並んでいると改めて実感した。しかしこれは正確なジャッジを行うためで、そのルールに則った製作・調整を行わないと上位入賞は果たせないであろう。これから開幕戦に向けて再度デモカーの内容を見直して審査に乗っ取ったデモカーに仕上げていこうと思う。そして目指すは上位入賞・・・あわよくば優勝! 悩みながら楽しみながらMycar-life編集部はACG2009を楽しみます!