ダイヤトーンのニュースピーカー『DS-G500』。今週からいよいよデリバリーも開始となり、注目度は高まる一方だ。 その新星の実力に迫ろうとしている当企画。先週の記事では、コンセプトと構造上の変更点を詳しくお伝えした。設計面では確かに大きな進化を遂げているのだが、果たして音はどうなのか…。インプレッションをお届けする。
話題の新星品『DS-G500』。今週はそのサウンドインプレッションをお伝えしていく。
試聴会場は、三菱電機エンジニアリング本社1階のDIATONE試聴室。先週の『DIATONE SOUND.NAVI』の記事でご紹介した、「NR-MZ90PREMI」の試聴に引き続いて行った。
まずは「NR-MZ80PREMI」+「DS-G50」の組み合わせで音を聴き、「NR-MZ90PREMI」に標準採用された新“電源・スピーカーハーネス”の試聴、そして「NR-MZ90PREMI」本体の試聴へと進み、その後にスピーカーを「DS-G500」にチェンジ。
前モデル同士の組み合わせでも十二分に良い音であったが、新しいハーネス、そして「NR-MZ90PREMI」の音の良さは驚くべきレベルだった。そしてさらにスピーカーを換えて、そのサウンドはどう変化するのか…。
音が鳴った瞬間に、このスピーカーが相当な実力を持っているということを理解した。違いは明らかだったのだ。
まず、低域のパワー感の向上を感じた。低音に、より“芯”が感じられる。そして、深みが出ている。“コク”という言葉に置き換えてもいいだろう。低域がより濃厚になっているのだ。
高域の繊細さも増した。きめ細かくスムーズに高域を響かせている。情報量が確実に増えている。滑らかで豊かな高音だ。
全体的なリアルさもさらに増した。実在感が増している。そして、演奏現場に自分が居るのではないかと錯覚する感覚も一層強まった。
各楽器の音色がそれぞれ品格を増しているようにも感じた。楽器自体がそれぞれ高級品に変わったかのような印象を受けた。サウンドがリッチになっているのだ。
しかし、冷静に考えてみると…。
「DS-G50」より少々価格が高くなっているとはいえ、大きな価格差ではない。その意味ではあくまでも“後継”機だ。しかし、この音質性能の変化は“後継”のそれではない。格が上がっている。
そしてさらに冷静に考えてみると。
「DS-G500」の税込み価格は16万円。『DIATONE SOUND.NAVI』と組み合わせているから音がいい、ということでもあるのだが、16万円の製品を聴いているという感覚はなく、ハイエンドスピーカーを聴いているかのような手応えだった。
「DS-G500」…。これは相当にコストパフォーマンスの高いスピーカーだ。
その状態に今度は、サブウーファーを追加した。
ところで「DS-G500」のコンセプトは、“よりダイナミックに、よりナチュラルに”、である。そのコンセプトどおり、低域の力強さも増していた。サブウーファーなしでもOKなのではないか、とも思われたが…。
とはいえ、やはりサブウーファーの威力はダテではない。相応にサウンドが分厚くなった。低域から高域まで、全体の深みも増している。
そして、低域の余韻がより美しくなったのを感じた。しっかりと制動し音がピタリと止まるので、余韻成分に他の音が混ざらず、余韻を余韻としてしっかりと感じ取ることができる。
振動板の素材が、サブウーファーからツイーターまで同一であることのメリットも大きい。つながりが実にスムーズだ。当然のことながら「DS-G500」を装着したら、いつかは「SW-G50」を足すことをおすすめしたい。もう1グレード上の音世界を楽しめるだろう。
最後に、パワーアンプを内蔵アンプから外部アンプに変更しての試聴も行った。用意されていたのは、モスコニ・ZERO4。
『DIATONE SOUND.NAVI』の内蔵アンプの音も相当に良かったのだが、さすがは高級外部アンプ。この音が悪いはずはない。情報量が増し、音楽をさらに味わい深く表現してくれる。
「DS-G500」が、そのパワーアンプの持ち味をそのまま表現してくれているということでもあるだろう。「DS-G500」を装着したら、システム全体をブラッシュアップしていかない手はない。こつこつと各所をアップグレードさせて、その都度、音質が向上していくのを楽しみ尽くそう。
さて次週はさらに、デモカーでのインプレッションと、今回から実施される単品発売について、さらにその他のトピックをまとめてお伝えしていく。次週もぜひお読みいただきたい。