日本でも公開されたコンセプトカー、アルピーヌ『ヴィジョン』。これをベースにしてアルピーヌの市販車が年内にも登場するという。
アルピーヌのデザインチームはモデラー等も含めて12名で構成され、そのスタジオには毎月違うクラシックアルピーヌ、『A110』からルマン出場のレーシングカーなどが持ち込まれるという。
ヘッドオブアルピーヌデザインチームのアントニー・ヴィラン氏は、「そこでは触ったりスケッチしたり、写真を撮るなど、直接的なアプローチをしながら、これまでのヘリテージを尊重し、デザインしている」と述べる。そのうえで「新しいアイディアも組み合わせることで、よりクリエイティブに将来を見据えたデザインが出来るのだ」と話す。
今回お披露目されたヴィジョンには、「アジリティ(軽快感)と官能性の2つの大きな特性がある」とヴィラン氏。アジリティでは、「リアミッドマウントのアーキテクチャと、コンパクトなボディサイズから生まれている」という。
デザイン的な特徴は、「アルピーヌの流れるような形状は、リアウインドウの角度やバランスによって成立している」。更に、「機能に根差したデザインを取り入れており、例えば、インテリアでは構造体をむき出しにすることで、軽量化に貢献。同時に“ナチュラルエレガンス”を醸し出している」とし、「レザーはパッセンジャーが使うところだけに使用している」とした。
一方の官能性では、「アルピーヌの個性や、これまでのノウハウ、歴史に根差している」とヴィラン氏。一例として、4リングのヘッドライトシグネチャーやその周辺のデザインが、A110のフロントエンドに似ていることを挙げる。そのほか、「素材では、室内のコールドメタルがキルトレザーとのコントラストになっている点や、カーボンのテクニカルパーツによる構成が美しさを醸成している」と説明。更に、「コンソールはアルピーヌヴィジョンの素晴らしい軽量化技術、そして、洗練さを表現している」と語った。