カーオーディオ愛好家に向けて、製品選びの勘どころを解説している当コーナー。先週からは「電源強化アイテム編」をスタートさせた。その2回目となる今回は、肝心要の「バッテリー」について考察していく。
「電源強化アイテム」にはさまざまなタイプがあるのだが、真っ先に見直すべきは、バッテリーであろう。根本が非力であったら心もとない。
そもそも最近は、バッテリーにとって受難の時代となっている。普段から酷使され、オーディオに安定的に電源を供給しにくい状況下に置かれているのだ。バッテリーを強化する必要性は、以前に増して高くなっている。
例えば、エコカーの多くに「充電制御システム」という仕組みが採用されているのだが…。
これは、発電量がある一定の水準まで達したら一旦充電を停止する、というシステムだ。そうすることで、燃費向上に貢献しようとするわけだ。しかしこれはバッテリーにとってはきつい。満充電に達する前に充電がストップされ、放電する。そしてまた再び充電される時間帯を迎えるが、またしても満充電までは到達しない。これが繰り返されるのだ。
このような背景もあり、音を良くしようと考えるなら、“大容量”で“強い”バッテリーが有利になってくる。
オーディオ用となると、一般的には「ドライ式」が良いとされている。「ドライ式」は「液式」に比べて、強く、安定感が高い。ただし、値段もそれなりに高くなる。とはいえ、安定的に電源供給が出来るか否かは音に相応に効いてくるので、この投資が無駄になることはないはずだ。
なお近頃では、“リチウムバッテリー”も登場している。こちらは“ドライ式”よりもさらに高性能で音に効く。しかし、価格の“ケタ”が変わってしまうのが難点だ。
あと、パワーアンプを複数台用いるケースでは、サブバッテリーを導入するのも有効策となる。このときは、「メインバッテリーとサブバッテリーで、容量と劣化具合を揃える」ことが鉄則となる。どちらかが非力だったり、劣化が進んでいたりすると、サブバッテリーを導入した効果が落ちてしまうのだ。サブバッテリーを追加する際には、同時にメインバッテリーも同じものに換えたいところだ。
今週は以上だ。次週も「電源強化」についてさらに深掘りしていく。お楽しみに。