個性派が揃う昨今のAV一体型ナビ市場の中で、『DIATONE SOUND.NAVI』は独特の存在感を放ち、そして多くの支持を集めてきた。その要因は、「ナビとしてもオーディオ機器としてもハイエンド」というコンセプトにある。このような方向性を持つ製品は他にはないのだ。
ただし、コンセプトがいかに独特であっても、“実”を伴わなければ支持を得られることはない。さて、『DIATONE SOUND.NAVI』には、“実”が備わっているのか否か。そこのところを改めて検証する特別企画をお贈りしている。前回の記事では、「オーディオ性能」について掘り下げた。今回はナビ性能について、その真髄を探っていく。
■『DIATONE SOUND.NAVI』のモニターは、何時でも視認性が落ちない。
『DIATONE SOUND.NAVI』がナビゲーションとしてもハイエンドたる理由は、2つある。1つは「基本性能が優れているから」、もう1つは「スペシャリティが高いから」。日々、良さを実感でき、かつ、これならではの輝ける利点も持っている。その両面を備えているからこその“ハイエンド”なのである。
早速、それぞれについてじっくりと検証していこう。最初に、基本性能の確かさについてみていきたい。
当サイトとして注目したいポイントは、3つある。1「画面が見やすいこと」、2「反応が速いこと」、3「ルート案内が的確であること」、以上だ。
まずは「1」の画面の見やすさについて説明していく。なおこれは、販売店の店頭で確認していただくと一目瞭然だ。お時間があればぜひ、実機を見てほしい。『DIATONE SOUND.NAVI』の画面は、本当に見やすい。
ところで、最近のAV一体型ナビでは「静電容量式」のモニターが採用される機種が増えてきた。これによってスマホライクな操作が可能となり、同時に画面もクリアになる。
そして『DIATONE SOUND.NAVI』にも「静電容量式」モニターが採用されているのだが、当機の画面が美しいのは、これだけが理由ではない。
最たる理由は、「ピュアブラック・ハイコントラストモニター」が採用されているからだ。同モニターでは、タッチパネルに「ARマルチコート・グレア表面処理」が施され、かつ、オプティカルボンディング材によってタッチパネルと液晶間の空気層が無くされている。これが相当に効いている。
特に違いが表れるのは、太陽光が車内に差し込む局面において。例えば西日が画面に直接当たったとしても、視認性はほとんど落ちない。『DIATONE SOUND.NAVI』では、走行中に画面が見にくくなるというストレスを感じることが、ほとんどないのだ。
■レスポンスは最速レベル。CPUの処理性能は従来機比で約11倍。
続いては、「2」の「反応が速いこと」について解説していく。
一般的に、かつてのHDDを使用していたナビに比べて心臓部にメモリーが使われるようになった昨今のナビは、起動や情報処理が速くなっている。その中にあって『DIATONE SOUND.NAVI』のレスポンスの速さは、最速レベルと言っていい。その要因は、CPUにある。当機のそれは、「クアッドコアCPU」(一般的なカーナビはシングルコアCPU)。
これが採用されたのは、2015年秋に発売された第四世代となる『NR-MZ100シリーズ』からなのだが、当シリーズでは従来機に比べCPUの処理性能が約11倍も速くなった。例えば、JR東京駅とJR大阪駅間の5ルートを探索すると、約5.6倍の速さでそれが完了される。従来機では27.08秒かかっていたところが『NR-MZ100シリーズ』以降では、わずか4.84秒で探索が完了されるのだ。圧倒的に速い。
そして「3」の「ルート案内が的確であること」について。『DIATONE SOUND.NAVI』では、「OpenInfoサービス」を利用する際には特にルート探索が的確に行える。スマホとWi-Fi接続等により、「スマートループ渋滞情報」が活用可能となるからだ。これにより、VICS渋滞情報と併せて全国約70万kmにおよぶ道路のリアルタイムの渋滞情報を受けることができ、その結果、渋滞している道路を回避し、より早く目的地に到着できるようになるのだ。
ここまで解説した3つの特長は、日々の使用で都度、利点となって感じ取ることができる。かつていろいろなナビを使ったことがあるというベテランドライバーほど、『DIATONE SOUND.NAVI』を使ってみれば、確実にその良さを感じ取れるはずである。
■他とはひと味違う、高性能な「音声認識機能」も搭載。
このように『DIATONE SOUND.NAVI』は、ナビゲーションに求められる基本的な性能においての優位性を多々携えているのだが、それに加えて他のモデルにはないスペシャリティもいくつか備えられている。その中で当サイトとしてイチ押しするのは、「音声認識機能」である。
「音声認識機能」自体は珍しくはないが、『DIATONE SOUND.NAVI』のそれはひと味違う。違いとして大きいのは、以下の3つの機能だ。1「周辺検索アシスト」、2「ウェイクアップコマンド」、3「バージイン発話」。
それぞれがどのようなものなのか解説していこう。まずは「1」について。
実は『DIATONE SOUND.NAVI』は、常に乗員の会話を聞き取っている。そしてその中から、「ファミリーレストラン」とか「ラーメン屋」というような周辺検索に使われることの多い語句が登場するとそれを検知し、ナビ画面の中央下にその語句を表示する。そしてそこに触れるとなんと、周辺にある「ファミリーレストラン」や「ラーメン屋」のリストが表示され、目的地検索へとダイレクトに移行できるのだ。
「2」の「ウェイクアップコマンド」とは、音声認識の開始を音声で行える、というものだ。「声で操作」と発話するだけで音声認識機能が起動する。『NR-MZ200シリーズ』では1度も画面を見ずに音声認識をスタートさせ、目的地検索を音声だけで完了することが可能なのだ。
■自ら発した音声と搭乗者が発した声とを、区別して聞き取れる。
そして「3」の「バージイン発話」とは…。これは、音声ガイダンス中でも次の指示を出せるという機能だ。通常は音声ガイダンスが終わるのを待ってから次の指示を出す。音声を認識させることができるのは、機器側の態勢が整っているときだけなのだ。しかし『DIATONE SOUND.NAVI』では、ナビ側が音声を出している瞬間でも乗員の操作音声を判別・認識できるのだ。
これらを実現できているのは、三菱電機独自の技術である、「Music Canceller」があればこそ。これは、「自らが発した音声をキャンセルし、乗員が発した音声だけを聞き取れる」技術だ。つまり、マイクで拾う音声の中から、自分の発した音と他者が発した音とを区別できる、というわけだ。
こうして、『DIATONE SOUND.NAVI』の「音声認識機能」は、他とはまるっきり異なる使い心地を実現してくれるのだ。
いかがだったろうか。『DIATONE SOUND.NAVI』が「ナビとしてもハイエンド」たる理由をご理解いただけただろか。
AV一体型ナビには、その名のとおり、ナビとオーディオ機器、両方の機能が求められる。しかしそれぞれは本来まったく別の機能であるので、その両方を特出したものとするのは、実はなかなかに難しい。しかし、『DIATONE SOUND.NAVI』は、それをやってのけている。
音が良く、ナビとしても安定感ある使い心地が得られるモデルが良いと思うのならば、『DIATONE SOUND.NAVI』は候補の筆頭になり得るだろう。チェックしておいて損はない。