カーオーディオを趣味とするならば、「サウンドチューニング」にもトライすべきだ。そうすることで、カーオーディオライフをさらに充実させることが可能となる。そのガイドとなるよう当連載をお贈りしている。今回も、「タイムアライメント」についての解説を継続する。
前回は、“簡易的な”「タイムアライメント」とはどのようなものなのかを解説した。今回からはそれに対して、“詳細に調整できる”タイプの「タイムアライメント」について解説していく。
“詳細に調整できる”「タイムアライメント」とは、左右のツィーターと左右のミッドウーファーそれぞれを、個別にコントロール可能な「タイムアライメント」のことを指す。“簡易的”なタイプでは、ツィーターとミッドウーファーが別々の場所に付いていたとしても、1つのスピーカーとして扱わなければならない。しかし“詳細に調整できる”タイプでは、右のツィーターと右のミッドウーファーとを個別にコントロールすることが可能となるのだ。
とはいえ、“詳細に調整できる”か否かは、「タイムアライメント」そのモノの機能が優秀か否かよりも、システム形態が問題となってくる。ツィーターの音とミッドウーファーの音とを個別に制御するためには、信号の“帯域分割(クロスオーバー)”を、「タイムアライメント」機能の前段で行う必要があるのだ。音楽信号があらかじめ“帯域分割”成されていないと、個別にコントロールしようもないのである。
そして、個別に制御された信号は、分割されたままの状態でスピーカーにまで送られなければならない。つまり、信号を増幅する段階においても、別chで扱わなければならないのだ。
なお、このようにパワーアンプに送る前段階で信号の“帯域分割”を行う“クロスオーバー”のことは、“アクティブクロスオーバー”と呼ばれている。そしてスピーカーユニット1つ1つに対してパワーアンプの1chずつをあてがうシステムは、“マルチアンプシステム”と呼ばれている。
「タイムアライメント」を“詳細に調整する”ためには、“アクティブクロスオーバー”を用意して、“マルチアンプシステム”を組まなければならないのである。
今週はここまでとさせていただく。次回も「タイムアライメント」についての解説を継続する。お楽しみに。