ドライブに音楽は欠かせないというドライバー諸氏に向けて、カーオーディオシステムのビルドアップを提案している当連載。現在は、「メインユニット」をテーマにお贈りしている。前回は、新車を買う際には「市販メインユニット」を選ぶべきである理由を説明した。
その最大の理由とは、「市販メインユニット」はバリエーションが豊富なので、自分にぴったりな音質性能に優れたモデルを選択できるからだ。購入する車種に「オーディオレス」の設定があればそれを選び、その上でカーオーディオシステムの構築に向いた「市販メインユニット」をセレクトすれば、そこからスムーズに高音質システムを作り上げられる。
そしてもう1つ、「市販メインユニット」に交換した方が良いケースが存在している。今回はそれについて解説していく。
それは、使用中の「メインユニット」が購入から4、5年以上経っている場合だ。愛用の「メインユニット」が純正品の場合にはそれを取り外せることが条件とはなるが、もしもそうなら最新機種へのアップグレードを検討する価値は大だ。「メインユニット」は実は、わずか4、5年の違いでも、最新機種と旧機との性能差が結構大きい。ゆえに交換してみると、使い心地がガラリと変わる。
どのように使い勝手が良くなるのかを具体的に説明していこう。まず、Bluetoothが使えるようになる。Bluetoothはかつては上位機種にしか対応していなかったので、古い機種を使っている場合には非対応であることも少なくないはずだ。で、この点が刷新されるだけでも利便性は随分上がる。スマホ内の音楽を聴くのにコードが不要になるだけでなく、曲送り等の主要な操作を「メインユニット」側で行えるようにもなる。また、都度の接続作業が不要になることも利点だ。1度ペアリングをしておけば、以後は乗り込めば即、自動で接続されるのだ。
また、最新のナビやディスプレイオーディオでは、HDMI端子を備えたモデルが多くなっている。そうであると、スマホのミラーリングが可能となるので、YouTubeも車載機のモニターに映し出せて音声はカースピーカーで楽しめる。
そして最新のナビやディスプレイオーデイオは、画質の向上も顕著だ。解像度が高くなっていて、広視野角化が図られているモデルも多い。そうであると斜めから見ても視認性がほぼ落ちない。また、外光の反射に強いモデルも増えている。
さらには、操作レスポンスが速められているモデルも増加している。ドラッグ操作やピンチイン・アウトといったスマホライクな操作をさくさくと行える機種が目立ってきた。
その上で、音質性能に磨きがかけられているモデルも多い。チューニング機能が充実していたり、ハイレゾ音源の再生が可能なモデルも続々登場している。音が良いモデルを、という観点で選ぶ場合でも、ここ数年で状況はかなり良化している。
さて、次回からはいよいよ、「市販メインユニット」のトレンドを解説していく。乞うご期待。