BMWは2022年8月、高性能部門のM社が開発を進める4モーターEVクーペを公開した。これまではその存在のみが明かされている状態だったが、いよいよそのスペックが見えてきた。スクープサイト「Spyder7」がレポートする。
このモデルは、4つの電気モーターによる電動4WD「M xDrive」を搭載。駆動トルクを無段階に可変でき、瞬時に電気モーターの出力とトルクを正確に調整するという。同社エンジニアリング、及びR&Dの責任者であるフランク・ウェバー氏は昨年、「M部門はすでに1メガワットの出力を持つ高性能EVの技術を持っており、前例のないレベルのパフォーマンスを実現する」と語っている。
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フィンランド山中で捉えたプロトタイプは「i4 M50」のMカラーリングのように見えるが、強烈なパワートレインを隠した、はるかに興味深い車両だ。BMWが「クワッドモーターモンスター」と呼ぶこのモデルは、前後にワイドフェンダーを装着、ルーフには測定器と思われるアンテナを配置している。
フロントエンドには、『M3 CS』や『M4 CSL』と共通のアグレッシブなキドニーグリル装備。ゴールドのブレーキキャリパーは、4つの電気モーターの加速にアジャストするカーボンセラミックブレーキを備えていることを示唆している。
そして気になるスペック情報だ。市販型では、既存の「CLAR」アーキテクチャではなく「Neue Klasse」プラットフォームを採用することが期待されている。現在「i4 M50」は最高出力536ps、「iX M60」はデュアルモーターセットアップにより610psを発揮する。だがこのMクワッドモーターでは、i4 M50の約2.5倍となる最高出力1341psとも噂されており、実現すればテスラ「モデルS プラッド」の1020psをも凌駕する世界最強の量産4ドアクーペの誕生となるだろう。
Mクワッドモーターモンスターのワールドプレミアは、2026年、あるいは2027年と予想される。