東京オートサロン2024の会場でカスタム車両の出展の多さで目を見張ったのが日産『フェアレディZ』だ。RZ34の登場以来、カスタム&チューニング系のビルダーやユーザーに注目され、先代モデルのZ34のカスタムも再びクローズアップされる事態に及んでいる。
デザイン性とハイパフォーマンスを兼ね備えた久々の日産スポーツモデルとして2022年に華々しくデビューを飾ったフェアレディZ(RZ34)。久しく停滞していた日産スポーティカーのビッグネームであるフェアレディZを一躍復権させた時代の寵児的なモデルとなった。そんなベース車をチューナーやカスタムビルダーが放っておくはずもなく、東京オートサロン2024の会場のあちこちにはZをベースにしたカスタム車両が並んだ。まさにフェアレディZ復活の年になったと言っても過言では無いだろう。
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その特徴は外装カスタムを得意とするメーカーもチューニングを得意とするブランドも、分け隔て無く扱い自社流のZを作り出してきた点だ。フェアレディZのパフォーマンスアップに力を注ぎ込むメーカーも多く、そのひとつがトラスト。GREEDYブランドのデモカーとして展示されたRZ34には試作タービンキットとインタークラ-キットが組み込まれた。同社がうたうとおり「最高速仕様」のRZ34を狙うハイパフォーマンスマシンとなった。
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一方でストリートで映えるスポーティ仕様の外装&足まわりモディファイを込めてきたメーカーも多い。もともとがローシルエットのRZ34にスポイラー類などを装備して、レーシングマシンさながらのフォルムを作るエアロメーカーも複数。印象的なフェイスデザインをモディファイすることで個性的なスタイリングを作るのもRZ34カスタムのひとつの流れになっているようだ。
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さらにZの歴史的なイメージを最新モデルに注入する手法も散見される。その代表例がかつての名車である240ZGの特徴であったGノーズをRZ34用に開発してフロントに突き出すシャープなノーズ形状を作ったカスタムスタイルだろう。RZ34が登場した際にノーマルと同時に展示されたNISMO仕様を見てGノーズをイメージしたユーザーもいただろうが、カスタムビルダーも思いは同じ。Zのフロントセクションをカスタムする上でGノーズは確実に重要アイコンになっているのがこれらのカスタムからも読み取れる。
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東京オートサロン2024の会場内を見渡すと現行のRZ34だけではなく、先代のZ34をベースにしたカスタム、さらにはすでに旧車の領域にあるS30を用いたカスタム車両も数多く展示されていた。フェアレディZの系譜は今も脈々とつながり、歴代モデルも変わらず愛されていることを感じさせる展示となった。加えてガレージに飾っておくビンテージカーとしてでは無く、カスタムベースとして今も現役なのはアクティブにクルマを楽しむフェアレディZならでは傾向なのでは無いだろうか。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。