BMWは6月に、コンパクトモデル『2シリーズ』の頂点に立つ「M2」改良新型を発表したが、実は水面下で2シリーズファミリーの大幅なアップデートが計画中なのだ。スクープ班がプロトタイプを捕捉した。
今回捉えたプロトタイプは2シリーズであることは間違いないが、正体には2つの説があり、1つは大幅なアップデート版、もう1つはフェイスリフトを飛ばして次期型というものだ。この段階で明確にされないことは珍しいが、近い将来、大きな進化が見られるだろう。
初代2シリーズは、2013年に『1シリーズ・クーペ』の後継モデルとして誕生した。その後「カブリオレ」、「M2クーペ」、「アクティブツアラー」、「グランツアラー」など様々なスタイルで提供され、2020年に登場した第2世代では、4ドアハードトップセダンの「グランクーペ」が導入された。
2シリーズの販売台数は、2024年下半期において米国市場で前年同期比54%増加している。BMWでは4ドアのグランクーペと2ドアのクーペに分けて数字を公表していないが、新型モデルの導入が控えている段階でも、グランククーペは依然として人気を集めているようだ。
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開発中の2シリーズを捉えるのは初めてではない。今回のプロトタイプは、これまでで最もカモフラージュが削ぎ落とされ、ディテールの露出が増えてきている。
これまで装着されていたメッシュのダミーグリルは外され、スリムでワイドなダブルキドニーグリルが露出した。グリル内には『X1』など最新のBMW同様に、垂直と斜めのグリルバーを装備する。おそらく、MスポーツやM235の黒い水平バーを備えるグリルとは異なるデザインになるだろう。垂直の太いグリルバーは、メルセデスAMGの「パナメリカーナグリル」のようだ。
フロントバンパーコーナーの三角形のインテークを含む、下部バンパーの形状も今回のプロトタイプで明らかになった。ただし、ヘッドライトには透明なカモフラージュが施されて、新設計のLEDデイタイムランニングライトがそこにはあるはずだが、見えないようにしている。
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車内には、BMWの「カーブドディスプレイ」を搭載、現在より操作ボタンが少なくなるだろう。
新型のプラットフォームには、1シリーズ、2シリーズ・アクティブツアラー、X1、X2などの基盤となっている、「UKL2」プラットフォームの進化版を採用する。つまり新型2シリーズ・グランクーペは、前輪駆動を維持し、一部のモデルでは全輪駆動となる可能性が高いということだ。
エントリーモデルのパワートレインは、最高出力170psを発揮する1.5リットル直列3気筒マイルドハイブリッドエンジン、最高出力300ps以上を発揮する2.0リットル直列4気筒マイルドハイブリッドエンジンなどが設定され、ラインナップの電動化は加速しそうだ。
果たして走って行った2シリーズは、大幅改良なのか、次期型なのか、数か月以内には判明するはずだ。