良い空気、良い圧縮、良い点火、がクルマを健康に走らせるための3大要素と言われている。その中でも今回注目したいのが点火。ガソリンエンジンは圧縮した。混合気にスパークプラグで点火して爆発させ、動力を得ている。
いつチェックした?スパークプラグが走りを変える
このスパークプラグは最近でこそメンテナンスフリーになり、クルマを買ってから1度も外したことがないと言う人も多い。だが、チューニングカーではノーマルカーのようにプラグ10万kmも無交換と言うわけにはいかない。不具合は起きていないと思っても、プラグ交換をすることでエンジンが元気になることもある。
ひと昔前まではエンジンの状態はこまめにプラグを外してその焼き色をチェックし確認していた。だが、最近のクルマはプラグ交換は10万km不要などが増え、もっぱらプラグを外さなくなっている。
ノーマルのままで普通に乗るのであれば、それでも問題ないが、チューニングを施したりサーキットを走ったりするのであればそうはいかない。もっとこまめにプラグの状態に気を配ってもらいたい。
チューニングカーで気をつけたいのは、まずプラグの状態。特にECUチューンやターボ車でブーストアップ、タービン交換などをしている場合は、プラグにかかる負荷が大きくなっている場合がある。
純正交換時期にかかわらず、数万キロ毎にはプラグを交換したほうがいい。またその時に熱価を変えるのかと言う問題もある。
サーキット走行するのであれば熱価を上げた方が良いと言われているが、むやみにあげるのも良くない。この熱価は燃焼室の温度に合わせて変えるもので、ノーマルでは6番が使われているが、その上に7番、サーキットメインにするなら8番を使うなどいくつかの種類が用意されている。
しかし、熱を上げるほどエンジンに良くなるのではない。高温に対応している放熱性の高いプラグになっているというだけで、むしろ街乗りメインであれば熱価を上げるとエンジンがかかりにくくなったり、デメリットも多い。サーキットをメインにしているのでなければ、純正プラグと同等の熱価で十分である。
プラグの掃除はやるべきなのか?
一昔前であれば外したプラグの中心電極と外側電極の間のギャップを測定し、このギャップが適正になるように外側電極を叩いて調整したりしていた。また電極をワイヤブラシで磨いてきれいにしたりも定番のメンテナンスだった。
しかし、これは過去の話。最近のエンジンにはまったくオススメしない。ワイヤーブラシで擦ることで発生したゴミなどが燃焼室内に入ってしまうこともある。中心電極が減ってきて外側電極との間のギャップが広まっているならば、そこを詰めるのではなく、プラグ自体を新品に交換した方が良い。
このプラグ自体も種類があり、スタンダードな安いものから、純正では白金電極などを使った高価なプラグが使われていることが多い。またさらに性能高めたプラグもアフターパーツとして販売されているし、サーキットメインで走る車ではレーシングプラグを使っている人も多い。このあたりはどれが適しているかはプロショップに相談してもらいたい。良かれと思って純正とは異なるものを使い、トラブルが起きた時には燃焼室内のことなので重大なトラブルに繋がることもある。
点火系チューンとしてはイグニッションコイルを交換するという手もある。最近ではアフターパーツのイグニッションコイルが増えていて、これは純正よりも強い火花を発生させることができたり、純正では1回火花が飛んでいるところで複数回点火をすることで燃焼室内の隅々までを確実に燃やし切り、パワーのアップ、アクセルレスポンスのアップ、排ガスのクリーン化などができるといったメリットがあるという。きちんとしたアフターパーツのイグニッションコイルであれば、特にデメリットはなく、そういった効果が期待できるだろう。
筆者の場合、ZC33Sスイフトスポーツでブーストアップ及びタービン交換をして走っていたが、プラグは6万km程度交換していなかった。特に気にもしていなかったが、試しに新品にしてみたところ明らかにエンジンのパンチ感が増し、パワーもトルクもアップした。とはいえ、これはアップしたと言うよりも、プラグの劣化によって徐々に下がっていたパワーやトルクが本来の性能を発揮できるようになったということ。誰が乗ってもわかるほどの明らかなパワーアップがあった。それだけプラグはエンジンの中の重要な要素を担っている。