前回は新素材NCV(Nano Carbonized high Velocity)について述べたが、今回は実際の製品となったDS-G50の解説をしたい。
DS-G50は2ウェイ。ウーファー/トゥイーターとも振動板にNCVを使用し、音色の統一を図っている。この点もNCVの特徴で、射出成型が可能なためどのような形にでも作ることができる。ウーファーもトゥイーターも同じ素材で形成できるため、上下で音色が異なるようなことがないわけである。
ウーファーは16cm口径で、DS-SA1/SA3などと同じDMM(ダイレクト・マグネット・マウント)構造を採用している。フレームと磁気回路を強固に一体化する独自の構造である。フレームはアルミ鋳造製とし、これを亜鉛ダイキャストで一体化し、振動による反作用を抑えて低歪化を図った構成だ。マグネットにはネオジウムを使用し、上下2個によるダブル構造で磁気回路を強化する。
取り付けにはダイレクターと呼ぶリングが付属し、アウターバッフルの場合はこれによって固定する。インナーバッフルでは直接取り付けるが、奥行が60mmと浅いため、軽自動車でも装着が可能だという。
トゥイーターは30mm口径で、純正機からでもそのまま交換できる汎用性の高いサイズとしている。振動板はコーンとドームを組み合わせた独自の形状で、いわゆるバランスドームに近い。しかしそれと決定的に違うのはボイスコイルをコーン側に取り付けていることで、一般的なバランスドームではドーム側にボイスコイルがある。これをコーン側に置くことで伝搬を確実にし、スピードを高めている。
磁気回路はネオジウムによるダブルマグネットで、上下からサンドイッチすることで磁界を均一化する。これによって80kHzという高域特性が実現された。
取り付けにはやはりアルミ製のダイレクターが付属し、一般的にはこれによるマウントが推奨されている。
ネットワークはトゥイーターとウーファーを分離したセパレートタイプ。ウーファー部は2端子で、4芯ケーブルにも対応する。またトゥイーター部は 3段階のレベル選択が可能だ。基板には70μmの銅箔を使用し、ハンダも特に選定しているという。