以前Mycar-lifeデモカー企画でもお伝えしたが、用途によって使い分けるStPマテリアルの施工をMycar-life編集部の考察も合わせて解説する。
まずはドアのアウター側の施工を行う。このStPゴールドはアルミ層とブチル層の2層構造。作業をすると分かるがブチルが手に付きにくいので不純物の少ない良質なブチルが使われていると考えられる。StPの施工推奨事例では『StP GOLD』を全面貼りすることを推奨していのだが、先に施工していたレアルシルトを残す形で帯状に施工していった。弱い部分をレアルシルトで制振してから全体的にStP GOLDを貼ることで部分補強を行った後に全体的な制振が行われて結果的にはこれが正解と思える。さらに言えばStP GOLDを使わずにStP BOMBで行えば更なる効果を生み出すと思う。
スピーカー裏にはStP CRYSTALを半分に切ってインパクトビームを避ける形で貼る。このStP CRYSTALは音波拡散効果があるアルミ層と吸音効果の高い発泡ポリウレタン層と制振効果の高い接着層の3層構造となっており高次元の効果を発揮するアイテムなのでドア施工時には必ず使う事をお薦めする。
続いてインナー側の施工を行っていく。ほとんどのクルマのインナーパネルにはサービスホールが開いているが、StPではサービスホールを塞ぐ専用マテリアル『StP ALUM』が存在する。接着層とアルミ層の2層構造で、施工後に上からBOMBまたはGOLDを貼ることで接着面が安定してより高い制振性を発揮するアイテムだ。
Mycar-lifeデモカーでは大きな面をBOMBで押さえて細かい部分をGOLDで施工した。サービスホールの上に貼ったBOMB部分を叩くと鉄板に近い感触で効果の高さを感じさせてくれる。予算的に余裕があるユーザーは全てBOMBで施工をすると高レベルなデッドニングが完成するであろう。
最後にドアの内張を施工していく。純正で付いている吸音材を剥がし、弱い部分にGOLDを貼っていき、不要振動を抑えて付帯音を無くしていく。仕上げには吸音・遮音性能の高いStP BTP5を全面的に貼ることで環境を整えていった。
全ての施工が完了して再度同じボリュームで音圧測定を行ってみると、92.8dBを計測し施工前から6.4dBも数値が上がった。これは施工前・施工後と同じボリュームで計測しているので、施工前は逃げていた音のエネルギーが今回の施工をする事によって車室内へと放出されていることを意味していて、実際に音楽を試聴すると音数が格段に増えているのが分かる。やはりカーオーディオの基礎となる車室内の静粛性・ドア強化の重要性が証明された。
次週はその他のマテリアルを使った施工をお伝えする。