カロッツェリアのカスタムフィットスピーカー・新Vシリーズ、そしてHVT方式採用のパワードサブウーファー・TS-WH1000A。それらの実力の神髄を探るべく、全国の有名プロショップに取材を敢行してきた当コーナーもいよいよ終盤戦だ。
今週は滋賀県の有名プロショップ、ウイニングの中江さんにTS-WH1000Aについてたっぷりとお話をお聞きした。
最初にまず、おすすめパワードサブウーファーはどのようなタイプなのかを教えていただいた。
「ボディがしっかりしていることが最低条件ですね。ボディがしっかりしていないと、クルマに固定したとき、クルマの鉄板まで鳴らしてしまいます。しっかり固定するのは諦めてマジックテープで取り付けてみると、今度はパワードのボディが鳴ってしまうんですね。
ところで、パワードサブウーファーを着けようと思う方は、薄型タイプをご希望される方が多い。薄さには大きなニーズがあります。そしてそれをシート下に着けたいという方が多いわけですが、実を言うと、できることならシート下には着けたくないと思っているんです。低音を体で感じてしまうので、そのタイミングに引っ張られてタイムアライメントが効きにくくなってしまうんですね。なので、シート下にという場合には助手席の下に着けることをおすすめしています。少なくとも運転席の下はNGです。そして、もし助手席に人が乗る場合には音量を絞ってあげてね、とも伝えています(笑)。
また、手持ちのヘッドユニットにサブウーファー出力に対してハイパスをかけられる機能が付いているのなら、ハイパスをかけて鳴らしたいところですね。40~80Hzくらいの美味しいところだけを鳴らせるように。振動板の口径が小さいので、ローエンドが歪みがちになる傾向があるんです。
というわけで、小型でもボディがしっかりしていて、良質な低音を出せる製品は存在しているんですが、そのような製品でも多少の扱いにくさがある、というのが現状ですね」
さて、TS-WH1000Aはどうなのだろうか。
「評判が良くてとても気になっていました。実際に着けて音を聴いてみて、納得しましたね。TS-WH1000Aには、これまでの小型タイプの製品が抱えていた弱点がほとんどないんですよ。
シート下に入れても低音の振動が体に伝わってこないので、先ほど言ったようなタイムアライメントが効きにくいという現象が起こりません。運転席の下に入れても大丈夫です。ローエンドまでしっかりと伸びますし、情報量も多い。実がつまった低音が聴けます。ズシッと重みもあります。
サブウーファーにハイパスをかける必要も無いですね。鳴らせるところまで鳴らして大丈夫です」
最後に、どのようなシステムに合いそうかお聞きした。
「TS-WH1000Aなら、10万円とか15万円くらいのフロントスピーカーとも釣り合いがとれますね。なので、サブウーファーにはこれを使っておいて、フロントスピーカーに予算をかけてステップアップしていく、という楽しみ方もできます。ただ1つ注意していただきたいのは、低音をブンブンとドライブさせたいと思う方には向いていないです。そういう音を聴こうとするならば、パワードサブウーファーでは役不足です。ピュア系のサウンドをお好みの方に向いている製品ですね。中級システムに入れて使ってもHi-Fi方向のサウンドが楽しめますよ」
これまでの小型パワードサブウーファーの常識をくつがえすほどのポテンシャルを秘めているTS-WH1000A。小型で、かつ良質な低音を鳴らすことができるパワードサブウーファーをお探しなら、真っ先にチェックして損はなさそうだ。