去る5月連休明け、クワトロリゴ代表、ロベルト・マルコリーニ氏とCEOを務めるファビオ・マルコリーニ氏が来日。アジア各国~日本~ロシアと過密ともいえるスケジュールの中でインタビューに快く応えてくれた。
はじめに同ブランドについて少し説明しよう。シンフォニ・クワトロリゴは量産メーカーと一線を画する少数精鋭主義によって高品位なパワーアンプとスピーカーを打ち出す専業メーカー。1997年、イタリア中部マチェラタの地で創業する。3年前、ブランド名をシンフォニ(sinfoni)からクワトロリゴに改名する。クワトロリゴの由来は五線譜のバス記号が附される4番目を表す意味と4弦の楽器から名付けたという。
※創業から20年の歩みはホームページをご覧いただきたい。
http://www.quartorigo.com
◆シンフォニの製品(現クワトロリゴ)が誕生したきっかけは何ですか。
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《代表 ロベルト・マルコリーニ氏Mr.Robert Marcolini》
ロベルト:シンフォニが生まれたルーツは1997年当時、音質重視のパワーアンプが非常に少なかったからです。すでに大手メーカーはクオリティより、大量販売する戦略へとシフト。そのような背景で私たちは納得できるパワーアンプの開発に着手しました。会社を興すにおいて、父のファビオはホームオーディオ店を経営していましたし、エンジニアとして腕をふるってくれましたので非常に恵まれた環境でした。
◆スピーカーはいつからですか。
ロベルト:2007年、スピーカーを発売します。パワーアンプを愛好するファンからの要望があったわけですがパワーアンプの設計と同時にスピーカーについても大変興味があり、早い時期から研究を行っていました。しかし満足するユニットが完成するまで大変な時間を要したわけです。振動板の素材選びや構造、パッシブクロスオーバー、最終的な音創りまで手をぬくことはできません。他社ユニットとは一線を画する完成度に仕上げること。リスナーに音楽の感動を伝えることが私たちのコンセプトです。
◆新しいスピーカーについてご紹介ください。
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短いひとときであったがクワトロリゴのポリシーを垣間見ることができた。欧州には個人の工房、小規模、大手とさまざまだが、自社ブランドの特徴を強く打ち出しているメーカーが多く、マイノリティというより、音楽性あふれる感性豊かな音創りが基本となっている。事実、音楽ファンからハイエンドユーザーと、愛用者が確実に増えている。クワトロリゴは創業当初から高みを目指してアイデンティティーを確立。つねに良いモノを作るという姿勢。ロングランであること。そして他社では得られないサウンドを創造する。注目してほしい欧州のブランドのひとつといえる。