「サウンドチューニング」に挑戦すると、カーオーディオライフはきっと、今よりももっと楽しいものになるはずだ。そのヒントをご紹介している当コーナー。現在は、「ユニットタイプごとの調整機能の傾向分析」をお届けしている。
今週は、クラリオンの『フルデジタルサウンド』についての分析の最終回として、同社独自の音響技術である、『Intelligent Tune』について解説していく。
『Intelligent Tune』にはさまざな機能があるのだが、この『フルデジタルサウンド』では、その中から以下の4つの機能が実行可能となっている。なお、『Intelligent Tune』は、車室内の音響的なコンディションを補正するための機能というよりむしろ、“エフェクト”的な性格が強い。であるので、“原音再生”を追求する際には使われないケースも多いのだが、適材適所、または気分に応じて使いこなすと、カーオーディオリスニングの楽しみの幅が広がることも事実。積極的に使って損はない。
では、『フルデジタルサウンド』で使える4つの機能がそれぞれどのような効果を発揮するものなのかを、1つ1つご説明していこう。
まずは『サウンドリストアラー』。これは「デジタル音源を高音質化する」機能だ。音源をMP3やAAC等にデジタル化する際に失われた高域信号を再生成し、原音に近い状態に復元することが可能となる。圧縮音源を聴くことが多いというユーザーにとっては特に、頼りになる機能となるはずだ。
2つ目は、『ヴァーチャルバス』。当機能は、「重低音を増強する」機能だ。音響心理学に基づいた機能で、低域の倍音成分を付加することで重低音をパワーアップさせることが可能となる。
3つ目は、『リバーブコントロール』。「音楽の表情を左右する残響音を先進の残響分離処理で制御し、サラウンド音源として出力する」というものだ。スタジオ録音された音源に、コンサートホールでのライブ音源のような臨場感をプラスできる。
そして4つ目が『トーンフィルター』。これは、「音源に含まれる楽器のアタック音や余韻を制御することで、表現力豊かな音色を創出できる」という機能だ。「Vintageモード」では真空管アンプで再生したときのような深く温かみのあるサウンドに、「Vividモード」ではビート感を強調した華やかなサウンドに変化させることが可能だ。
さて、クラリオン『フルデジタルサウンド』の「サウンドチューニング機能」の分析は以上で終了だ。次週もさらに、「ユニットタイプごとの調整機能の傾向分析」を続けていく。お楽しみに。