カーオーディオの音を整えるための必須項目である「サウンドチューニング」について、そのノウハウを多角的にご紹介している当コーナー。現在は、「ユニットタイプごとの調整機能の傾向分析」と題してお届けしている。今週からは「単体DSP」について考察していく。
ハイエンドカーオーディオ愛好家に人気が高い、「単体DSP」。人気が高い理由は、取りも直さず、「サウンドチューニング機能」が高性能だから、である。全般的に高機能なのだが、特に目立って優れているのは、「イコライザー」だ。
ハイエンド・カーオーディオの世界で「イコライザー」と言えば、ちょっと前までは“左右独立”が定番だったが、「単体DSP」の多くは今や、“ch独立”という仕様になっている機種がほとんどだ。
クルマの内装の形状は左右で異なっているので(ステアリングやメーターフード等があるから)、周波数特性の乱れも方も左右で異なってくる。それに対処するために「イコライザー」にも“左右独立”が求められたのだが、「単体DSP」では、それがさらに“ch独立”にまで進化している、というわけなのだ。
また、入力系統が多彩になっているあたりも、「単体DSP」ならではのポイントだ。今や、デジタル入力を持つのは当たり前になっている。カーオーディオのソースユニットとしてポータブルデジタルオーディオプレーヤーが使われるケースが増えてきたが、「単体DSP」はそれらとの親和性も高い。「単体DSP」は、デジタル機器とカーオーディオとの橋渡し役的な機器、という側面も持っているのだ。
そして、“ハイレゾ音源”に対応する機種も徐々に増え始めてきた。この部分については、今後も急速に対応が進んでいくだろう。
さらには、“スピーカーレベルインプット”を備えていることも「単体DSP」の特長の1つだ。これについては、ほぼすべての機種が対応している。純正オーディオが取り外しにくい車種が増えている中では、カスタムカーオーディオは純正オーディオと共存させるしかない。「単体DSP」はそれを実現させるためのキーユニットでもあるわけだ。であるので、「スピーカーレベルインプット」は、「単体DSP」にとって、なくてはならない機能なのである。
さて、次週も「単体DSP」の調整機能の傾向分析を継続してお贈りしていく。お楽しみに。