ロシア発のハイエンドケーブルブランド「TCHERNOV CABLE(チェルノフケーブル)」より、新たなデジタルインターコネクトケーブルが3グレード新登場した。これらがどれほどのポテンシャルを秘めているのかを、詳細にお伝えしていく。
「デジタルコアキシャルケーブル」と「USB 2.0 A-Bケーブル」の計3グレードが新登場!
最初に、今回新登場したモデルのプロフィールから紹介していこう。新たにお目見えしたのは、「デジタルコアキシャルケーブル」が2グレード、「USB 2.0 A-Bケーブル」が1グレード。それぞれの仕様とラインナップは以下のとおりだ。
- ☆ULTIMATE IC S/PDIF
- ●仕様:デジタルコアキシャルケーブル S/PDIF ●導体断面積:1.0mm2 ●導体外形寸法:Φ10mm(ケーブル部分直径) ●ケーブルインピーダンス:75Ω ●RCAプラグ外形寸法::Φ14.5mmx53.5mm
- ・ULTIMATE IC S/PDIF062 (0.62m) 税抜価格/14万3000円
- ・ULTIMATE IC S/PDIF100 (1.0m) 税抜価格/16万8000円
- ・ULTIMATE IC S/PDIF165 (1.65m) 税抜価格/21万円
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- ☆ORIGINAL IC S/PDIF
- ●仕様:デジタルコアキシャルケーブル S/PDIF ●導体断面積:0.70mm2 ●導体外形寸法:Φ9mm(ケーブル部分直径) ●ケーブルインピーダンス:75Ω ●RCAプラグ外形寸法::Φ14.5mmx46mm
- ・ORIGINAL IC S/PDIF062 (0.62m) 税抜価格/1万7000円
- ・ORIGINAL IC S/PDIF100 (1.0m) 税抜価格/2万円
- ・ORIGINAL IC S/PDIF165 (1.65m) 税抜価格/2万5000円
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- ☆REFERENCE USB A-B IC
- ●仕様:USB2.0ケーブル A-B type●導体断面積:2×0.50mm2(信号ライン)/2×0.08mm2(電力ライン) ●導体外形寸法:Φ8mm(ケーブル部分直径)
- ・REFERENCE USB A-B IC100(1.0m) 税抜価格/5万5000円
- ・REFERENCE USB A-B IC165(1.65m) 税抜価格/6万3000円
- ・REFERENCE USB A-B IC265(2.65m) 税抜価格/7万8000円
- ・REFERENCE USB A-B IC500(5.0m) 税抜価格/10万9000円
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「チェルノフケーブル」ならではの、独自技術を各機に満載!
各モデルの特長を解説していこう。まずは「デジタルコアキシャルケーブル」の『ULTIMATE』から。こちらはさすがはトップエンドグレードだ。素材、構造ともに、贅の限りが尽くされている。導体には独自のハイテク素材“超高品質マルチストランドBRC銅” が採用され、驚異的な絶縁性能を誇るという独自の熱可塑性ポリウレタン(TPU)Elastollanや、4層インタラクティブサンドイッチ構造のX-Shield SE、現時点で技術的に最も進歩した独自のインシュレーションシステムSATIなどなど、かずかずの特許技術が投入されている。
『ORIGINAL』のほうも、4thグレードとは言いつつも、「チェルノフケーブル」らしいハイレベルな仕様となっている。導体にはマルチストランドBRC銅が採用され、さらには3層からなるCAFPE(複合発泡ポリエチレン)絶縁構造により、75Ωの正確なインピーダンスマッチングも図られている。
「USB 2.0 A-Bタイプケーブル」も当然ながら、豪華な仕様に仕上げられている。導体には線径0.18mmのBRC銅線を19本撚って形成される高度なマルチストランド構造が採用される。また、高い振動吸収特性を誇るCAFPE(複合発泡ポリエチレン)を3層構造にした絶縁層により超低損失伝送が実現されているという。BRC銅箔とBRC編組によって強化されたシールドは、特に高い伝送速度での電磁放射を劇的に低減し、デジタル信号データフローに対する外部電磁界の影響からも保護。さらには、信号ラインと電力ラインを個別にシールドすることにより、それぞれからの干渉も防止されている。
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微細な違いも聴き分けるべく、豪華なテストシステムを用意。
続いてはインプレッションリポートに入りたい。今回は、どちらかといえば使用される頻度が高い、「USB 2.0 A-Bタイプケーブル」のほうを試聴した。
テスト環境は以下のとおりだ。試聴は「チェルノフケーブル」のディストリビューターであるイース・コーポレーションの試聴室で行った。ソースユニットには「アステルアンドケルン」のDAP(ポータブルオーディオプレーヤー)『AK380』を使用し、当機と「USB-DAC」の間で使用する「USB 2.0 A-Bタイプケーブル」を繋ぎ換え、聴き比べた。
パワーアンプには、ドイツ発のスーパーハイエンドブランド「RSオーディオ」の『RS Master T Mono』(税抜価格:35万円)を2台使用した。そしてリファレンススピーカーとして使ったのは、ドイツの気鋭カーオーディオブランド「グラウンドゼロ」のホーム用スピーカー『GZ The Reference』(税抜価格:200万円、ペア)。微細な違いも聴き分けるべく、ハイグレードなスピーカーを使用した。
その他のケーブルも「チェルノフケーブル」で統一した。パワーケーブルに『STANDARD DC Power 8AWG』(税抜価格:1200円/1m)を、スピーカーケーブルに『CLASSIC MKll SC/1』(税抜価格:9300円/1m)、そしてラインケーブルに『REFERENCE MKll IC165』(税抜価格:25万円/1.65m)をそれぞれ使用した。
比較のために用意した「USBケーブル」は、一般的なPC機器メーカーが“オーディオ用”として用意している1m 2000円クラスのスタンダードなもの、海外オーディオブランドの同じく1m 5000円クラスのモデル、そして昨年に発売が開始された「チェルノフケーブル」の『CLASSIC USB A-B IC165』(税抜価格:2万円)、以上の3モデルだ。それらを聴いたあとに「チェルノフオーディオ」の『REFERENCE USB A-B IC165(1.65m)』を聴いた。
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「USBケーブル」においても、予算を掛けた分だけ音質がギャランティされる…。
まずはPC機器メーカーのモデルから聴いてみた。このシステムで悪い音がするはずもなく、『GZ The Reference』が奏でる骨太でダイナミック、かつ繊細可憐なサウンドを十二分に堪能できた。
続いては、オーディオメーカーのスタンダードな「USBケーブル」に換えてみた。価格差は倍くらい。その差がサウンドにも違いとなって現れた。S/Nが上がりすっきり感が増している。手軽なタイプの中でもワングレード上のモデルを使うと、予算アップに見合った結果が得られることを確認できた。
続いては「チェルノフケーブル」の『CLASSIC USB A-B IC165』を聴いた。テストトラックの最初の1音が鳴った瞬間に、価格のケタが上がった分の音質向上をはっきりと感じ取ることができた。S/N感はさらに上がり、まさしく、ヴェールが1枚取り除かれたような印象だ。そして、シンガーの声のかすれ具合など、細かな表現が実に絶妙。楽曲の世界に引き込む力が増している。
さて、いよいよ『REFERENCE USB A-B IC165』である。『CLASSIC USB A-B IC165』よりも“上”があることに対して半信半疑な気持ちでテストを開始したのだが…。
一瞬の出音で鳥肌が立った。それまで感じることがなかったぞくぞくっとする感覚に襲われた。良さのレベルが一段と上がっている。
とにもかくにも質感が滑らかで、至って耳に心地良い。リアリティも高く、録音現場に身を置いているかのような気分に浸れる。
表現力も一段と向上している。例えばボーカル。シンガーの個性がひときわ引き立ち、その人ならではの魅力が十二分に伝わってくる。
ちなみに、同じく「チェルノフケーブル」のラインケーブルと比べると、同じ『REFERENCE』グレードでありながらも、こちらはかなり手頃な価格に収まっている。この音質向上幅を考えるとむしろリーズナブルなのでは、とさえ思えた。
「USBケーブル」も他のケーブルと同様に、予算をかけるほどに満足度が上がっていくことを、今回のテストでしかと確認できた。
DAP等を用いて、ハイエンドシステムで“ハイレゾ音源”を楽しむようなケースでは、「USBケーブル」に「チェルノフケーブル」を選んで損はなさそうだ。試す価値はすこぶる高い。