レンガを使ったド派手な外装を持つ田村さんのハスラー。どこにもないスタイリングを作り上げた注目度ナンバーワンのカスタムカーとなった。もちろんサウンド面は北海道のZEPTが上質に仕上げ、サウンドクオリティ、定位ともにハイレベルな仕上がりだ。
◆どこにもないレンガ模様のラッピングで外装カスタム

《レンガのラッピングには単純なパターンの連続ではなく、割れや浮きなどを場所ごとに設定して再現しているのもこだわり。》

《ドアとパネルとのつながり部分も重視。レンガの柄が途切れることのないように連続性を持たせたラッピング処理が施される。》

《リアドアのノブにはこのようにラッピングを施している。2ドア風に見せるためリアドアの存在感を消すのが目的。》

《リアゲートのノブ周辺にもラッピングを施す。周辺のレンガ柄とピタリと合わせてぱっと見はノブの存在を見つけ出せないほど。》
オーディオマシンを作るときに「目立つ外装」がどうしても欲しかったというオーナーの田村さん。ボディ保護もかねてラッピングを施すことがベーシックなプランとなった。その上で「どんな色柄にするか」の熟考がはじまってからが大騒ぎだったという。ZEPTともさまざまなプランを相談している最中に、ふと思い浮かんだのが「レンガとか良いんじゃない?」だった。こうして全身レンガラッピングのハスラーが作られることになったのだ。レンガの画像を取り込んでデータを作っていくのだが、ただのレンガじゃ面白くない。オーナーとショップがさまざまなアイデアを出し合って「あーでもないこーでもない」とレンガラッピングのプランを練った。そんなカスタムの行程も楽しかったという。
そうしてでき上がったのがこの外装だ。ランピングされているレンガは、よく見ると部分的なハガレや割れ、浮き上がりなどもリアルに表現しているのが見て取れる。さらにはフロントからリアドアまでをひとつのパートにして“2ドア風”に見せるのもアイデア。リアドアにいたってはノブにまでレンガラッピングが施されているのもリアドアを感じさせないためのトリックなのだ。各部のつながりやラッピングのクオリティなど、どこをとってもレベルの高いラッピング処理が完成した。
◆フロントにアーテイストが現れる立体的な音響空間を再現

《ヴァイブのトゥイーターは純正位置にインストール。取り付け部を拡大するなど加工は施しているがスマートな取り付けとした。》

《ヘッドユニットにはカロッツェリアのDEH-P01をセット。多彩な調整機能とUSB入力を駆使してサウンドと使い勝手を引き出す。》

《音源はポータブルHDDに入れてUSBでDEH-P01に接続されている。膨大な数の音源をいつでも聴ける環境を整えた。》
一方、オーディオ面でも音の良さを重視してインストールが施されている。サウンドの要となるスピーカーにチョイスしたのはヴァイブの2ウェイセパレートスピーカーであるBLACKAIR6C-V2。ミッドバスはドア純正位置にインストール、トゥイーターはダッシュの純正位置を加工して純正風にインストールする処理。シンプルな取り付けで最大限の効果を発揮するためのインストールが施されている。またヘッドユニットにはカロッツェリアのDEH-P01を使用する。多彩な調整能力を駆使して、車内の音場もベストバランスにコントロール。フロント2ウェイ完結のシンプルなシステムながら、帯域バランスに優れたサウンドや確かな定位の再現はオーナーもお気に入り。「フロントガラスにアーティストを想像できる空間ができ上がっています。聴きやすいサウンドにすごく満足しています」。
音源のメディアとして主に用いるのはDEH-P01のUSB入力に接続したポータブルHDD(ダッシュにUSBポートを増設してサブ音源としてUSBメモリーを接続することもある)。宇多田ヒカルや松任谷由実などを中心にJ-POP、ロック系の多彩なアーティストを収録。好きな曲はすべてこのHDDの中に入っているほどの豊富な収録を誇る。大量の音楽データを駆使して、気分に合わせたドライブミュージックを楽しんでいるという。
◆内装にも外装同様のレンガラッピングを処理する

《インテリアにもレンガ柄のラッピングを施し、一台丸ごとレンガラッピングのドレスアップを完成させている。》

《ドアのアームレスト部分にはワンポイントでレンガラッピングを処理。やり過ぎない程よいカスタム処理も見どころだ。》
外装をレンガラッピングとしたハスラー。内装にも同様のフィニッシュを持ち込んでいるのも見どころ。ダッシュパネルには全面にレンガラッピングを施す。コクピットに座ったときの視界いっぱいに広がるレンガが圧巻だ。ラッピングはDINスペースやエアコン吹き出し口などを巧みに避け、メーターパネルの凹凸もスマートに処理してフィット感も抜群。さらにドアのアームレスト部分にもワンポイントでレンガラッピングを実施。純正内装を基本としながら、要所にラッピング処理を加えたところも効果的。レンガをテーマにしたクルマだけに乗車中も雰囲気を存分に味わえる仕様となった。レンガ柄のラッピング処理という個性的なカスタム処理で内外装をコーディネートしたこのクルマ。手の込んだ大がかりなカスタムを施すのではなく、アイデアでドレスアップ効果を引き出すことが狙いのひとつだった。同時にサウンド面の満足度と合わせて、オーナー自慢のカスタムが完成。ライトに作るカスタムオーディオのひとつの方向性を示してくれたクルマと言えるだろう。