カーオーディオ製品の取り付けには、さまざまなセオリーが存在している。それらを紐解きながらカーオーディオの奥深さを明らかにしようとしている当コーナー。現在は、「パワードサブウーファー」を題材にお贈りしている。
今週は「音声信号配線」について解説していく。
早速本題に入ろう。「音楽信号」の配線方法は、使用するメインユニットのタイプによって変わってくる。まず、もしもメインユニットに「サブウーファー出力」が備わっていたら、状況はもっともシンプルだ。その「サブーウーファー出力」の端子と「パワードサブウーファー」の入力端子とをラインケーブルで繋げばOKだ。そしてこの場合には、サブウーファーの制御もメインユニットで行えるので、使用する際にもスムーズに運用できる。
逆に、もしも使っているメインユニットに「サブウーファー出力端子」または、「外部音声出力端子」が備わっていない場合には、「音楽信号配線」は少々やっかいになる。スピーカー出力の信号をどこかしらから分岐させて、「パワードサブウーファー」の“ハイレベルインプット”へと入力させなければならないからだ。イレギュラーな配線となるわけで、コードをカットしたり分岐させるケーブルを結線したり、端子を繋いだり等々、やるべき作業が多くなる。
そして、どこから分岐させるかを慎重に検討する必要もある。例えば、ツィーターの手前から分岐させるのはやめるべきだ。ツィーターの手前には、場合によっては高域の信号しか送られていないこともあり得るからだ。「パワードサブウーファー」は低音を再生するユニットであるので、低音の信号を入力しなくては意味がない。
それならば、リアスピーカーの前から分岐させるほうが安全だ。リアスピーカーはフルレンジタイプである場合が多いので、少なくとも、高域の信号だけが送られてきているということはあり得ない。
なお、リアスピーカーの手前で分岐させるにせよ、フロントスピーカーへの配線から分岐させるにせよ、そして「サブウーファー出力」から入力するにせよ、左右両chの信号を入力することがマストとなる。「パワードサブウーファー」内部のパワーアンプはモノラルタイプである場合がほとんどだが、入力する段階では左右両chの信号を入力しないと、情報がまさしく“片手落ち”となってしまうのだ。
今週はここまでとさせていただく。次週も「パワードサブウーファー」の取り付けに関する解説を続行する。お楽しみに。