コストパフォーマンスに優れた製品を多々登場させてきた国産人気カーオーディオブランド“ミューディメンション”の最新作、『DSP-680AMP』の実力を検証する特集をお贈りしている。その第3回目となる今回は「デモカー検証」をお届けする。
多彩な楽しみ方が可能な“マルチソースユニット”仕様を実現!
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ここまで、「スペック検証」と「サウンドテスト」をお伝えしてきた。これらの記事への反響も大きく、当機、『DSP-680AMP』(税抜価格:7万7000円)への注目度の高さをひしひしと感じている。
さて今回は、早々に仕上げられた当機搭載のデモカー、「アウディ・A3」のシステム & サウンドリポートをお伝えしていく。
まずは搭載ユニットを紹介していこう。
メインユニットは純正オーディオ。そのスピーカー出力を『DSP-680AMP』のハイレベルインプットに入力させてある。なお、『DSP-680AMP』には“Bluetoothオーディオストリーミングドングル(レシーバー)”が標準装備されているので、当デモカーでも当然ながらそれも活用させてある。手持ちのスマートフォンをBluetooth接続でき、さらには“オプティカルデジタル(TOSLINK)”端子を使用して“DAP”の接続も可能。多彩なソースユニットを楽しめる。
フロントスピーカーには、ドイツ発の実力ブランド“グラウンドゼロ”の『GZUC 650SQX』(税抜価格:6万6000円)が使われていた。いわゆる、“上級エントリースピーカー”と呼ばれる価格帯にあるモデルだ。製品写真を見ていただくとわかると思うが、大ぶりの磁気回路が備えられ、フレームも案外に屈強。見た目からはこの価格の製品とは思えない。音的にもコスパが高いと評判のモデルだ。
各ユニットはシンプルなスタイルでインストール。『DSP-680AMP』も合理的手法でセット!
サブウーファーにも“グラウンドゼロ”がチョイスされている。使われているのは10inch(25cm)4ΩSVCサブウーファー『GZIW 250X-II』(税抜価格:2万3000円)だ。当機は、“グラウンドゼロ”のサブウーファーラインナップ中の最エントリーシリーズに属するモデルであるが、こちらも磁気回路、フレームとも作りが確かな、そしてサウンドも価格以上のクオリティが得られると人気を得ているモデルである。
なお、エンクロージャーは既製ボックス。イース・コーポレーションのオリジナルアイテム『ASB-100L』(税抜価格:1万6000円)が用いられていた。
各機のインストールは、すべて現実的なスタイルで完了されている。ドアスピーカーはインナーバッフルで、ツィーターもAピラーの純正位置にトレードインで取り付けられている。ちなみに言うと、ドアのデッドニングは基本的なメニューながらも抜かりなく施工されているとのことだ。ツィーターに関しては、音ヌケを良くするためにグリルネットの材質変更が成されているというが、その他に大きな加工はされていない。
そして主役の『DSP-680AMP』は、トランクの天井部分に吊り下げるようにして設置されていた。このインストールスタイルは意外に新鮮だ。これならステーを作るだけでセットが可能。荷室の積載性にも影響が出ない。『DSP-680AMP』がコンパクトだからこそのセッティング方法となっていた。
サブウーファーを内蔵パワーアンプで鳴らせることで、システム全体の“スリム化”が可能に。
で、当車のシステム合計金額は、『DSP-680AMP』を操作するためのコントローラー『DSP-680AMP REMOTE』(税抜価格:1万5000円)も含めて、計19万7000円(税別、取り付け費用別)。なんと20万円を切っている。
フロント2ウェイをマルチアンプシステムで駆動し、かつ本格ユニットサブウーファーを導入しつつも(ボックス代も含む)この金額で収められているとは、実にあっぱれだ。フロントスピーカーにもある程度のコストが掛けられている。サブウーファーもパワードタイプではない。つまり、本格フルシステムが完成されているにもかかわらず…。
このプライスレベルを実現できているポイント、主に2つある。1つは言うまでもなく「『DSP-680AMP』がリーズナブルであるから」だ。そして2つ目が「サブウーファーも『DSP-680AMP』の内蔵パワーアンプで駆動できているから」である。このことは特に効いている。
ちなみに『DSP-680AMP』の内蔵パワーアンプの2chを4Ωブリッジ接続した場合の定格出力は150W。ここまでのパワーが確保されていれば大概のユニットサブウーファーを余裕で駆動できるはずだ。サブウーファーのクラスを上げてもまだまだ大丈夫だろう。
低音の駆動力も十二分。Bluetoothの音質も良好で、“ハイレゾ音源”の再現性も見事…。
かくして、音はどうだったのかと言うと…。
まずは純正メインユニットにてCDを再生してみた。そしてテストトラックを聴いて真っ先に感じたのは、「低音の充実感」。音に芯がありタイト。かつ量感もしっかりと確保されている。パワードサブウーファーで得られる重低音とは一線を画す本格的な低音が楽しめた。『DSP-680AMP』はサブウーファーの駆動力も相当に高かった。
サウンドステージの表現力も良好だ。ボーカルはステージのフロントセンターにすっくと立ち、バックバンドはその後方のそれぞれがあるべき場所に正確にポジションしている。高性能なDSPを用いるからこそ得られるリアルなサウンドステージが広がっていた。
ハイエンドシステムに迫るサウンドだと言って良いだろう。この音が総額20万円以下で手に入るというのだから恐れ入る。
続いては、手持ちのスマホを使ってBluetooth接続でCDクオリティの音源を聴いてみたのだが、サウンドの印象はまったく同等だった。場合によってはこちらで聴く方がむしろ良いのではと思える局面もなくもない。そして、Bluetoothで気軽に音楽を楽しめる選択肢が用意されていること、それをクオリティ高く満喫できることでもまた、『DSP-680AMP』の良さを改めて実感できた。
続いて、DAPを用いてハイレゾ音源を聴いてみると…。これ以上のシステムが必要だろうか、というのが正直な感想だ。もちろん、スピーカーのインストールスタイルを変えたり各ユニットをグレードアップさせればサウンドクオリティを一層バージョンアップさせることはまだまだ可能だが、“ハイレゾ音源”をここまで質感高く楽しめるのであれば、それで十分。そう思わせる納得のサウンドが目前で展開されていた。
いやはや、『DSP-680AMP』はなかなかの強者だ。カーオーディオのスタートプランを考えるときにも、本格カーオーディオを楽しもうするときにも『DSP-680AMP』は選択肢として浮上し、それらを満足度高く形にしてくれるはずだ。
さて、次回はこれを早速インストールしたプロフェッショナルの声を紹介していく。プロは当機の実力をどう評価しているのか…。次回の記事も、お読み逃しなきように。