フォーカル・ユートピアMがデビューすると同時にインストールを決めたオーナーの宮古さん。シンプルな作りのスピーカー取り付けだが、構造やデザインにはこだわり満載。製作ショップである群馬県のGarage Aとの二人三脚のインストールがが完成した。
◆純正のドア内張りをカットして
ワンオフグリルを製作して高音質化

「コクピットまわりは派手さを抑えて音質重視でインストールされている。わずかにAピラーの加工がオーディオカーを主張する。」

「ドアスピーカーは純正位置にインストールされているのでよく見ないと気づかないのだが、グリルはくり抜いてワンオフされている。」

「ユートピアMのミッドバスをインストールするドア。音抜けを最優先してグリル部はサランネットを使ったワンオフパーツだ。」
ハードロックやヘビーメタルが大好きなオーナー。オーディオのシステムアップに注力して4年でここまでのクルマを作り上げてしまった。今回注目したのはフロントステージ、コクピットまわりの主役はフォーカルのユートピアMシリーズだ。もともとフォーカルのハイエンドスピーカーであるユートピアを使っていたオーナーだったが、新作であるMシリーズが登場するとすぐさま変更を決定。フロントスピーカー、サブウーファーをすべてユートピアMに換装している。
変更した理由は「情報量の多さ」「解像度の高さ」さらには「低音のふくよかさ」など多くのポイントでオーナーの心に響いたのだという。試聴した際には「これ以上のスピーカーはないんじゃないだろうか?」と思ったほどのお気に入りとなった。
取り付けはシンプルでスマートなスタイルを目指した。スピーカーの取り付けは純正位置に対してバッフルを用いて取り付けるいわゆるインナーバッフルのスタイル。しかし音ヌケを良くするために純正の内張りをカットしてサランネットを使ったグリルを新たにワンオフ。ぱっと見ではドア周辺は完全に純正状態なのだが、実はグリル部分は新たに作ったもの。ユートピアMのポテンシャルを存分に発揮するための隠れたワンオフ加工がここに施されていたのだ。
◆左右非対称のピラー加工によって
狙い通りのサウンドステージを構築

「Aピラーは左右非対称でワンオフ加工されている。ユートピアMの印象的なトゥイーターをビルトインして存在感も満点。」

「サウンドステージを大きく左右するトゥイーターの取り付け。トゥイーターの位置&角度には徹底してこだわった。」
トゥイーターはAピラーに埋め込み加工する。先代のユートピアでも同様にAピラーを加工してビルトインしていたのだが、新たにユートピアMに合わせてピラーをワンオフ加工してビルトイン。ピラーはユートピアMのトゥイーター形状に合わせてエグリ加工を施す。トゥイーターまわりからピラーに掛けて滑らかなラインを作り違和感なくピラーと一体化させる手法も見事だ。34mmのトゥイーターはサイズはそこそこながら存在感満点のデザインを持つためAピラーはオーディオカーならではのアピール度を発揮する。
Aトゥイーターの設置位置、角度はサウンド面でも重要なポイント。特に角度付けはこのクルマの隠れた見どころとなっている。よく見るとピラーは左右非対称で設計され左右それぞれのトゥイーター角度が計算されているのだ。その結果、運転席のリスナーにドンピシャ定位が合うように設計されているのも見どころ。デザインをスポイルすることなくサウンド優先で作られたAピラーは機能美を感じさせる仕上がりとなった。
◆畑の真ん中で音楽に没頭するのが
今もっとも楽しく幸せな時間

「ヘッドユニットとして用いるのはクラリオンの9インチナビ。プロセッサーにはヘリックスのDSP PRO Mk2をチョイスする。」

「気軽に大量の音源をコントロールできるデジ像もサブのオーディオプレイヤーとして利用している。」

「3ウェイ、パワーアンプのグレードアップなど、高音質化へのシステムアップに対してまだまだ意欲的なオーナーの宮古さん。」
普段はハードロック、ヘビーメタルを中心に聴くオーナー。しかしオーディオを進化させてからはさまざまな曲を聴くようになったという。通勤時に好きな音楽を聴くのが日常生活の中の潤いの時間なのだとか。さらに時間があったら誰もいない田舎の畑の真ん中にクルマを停めて、思う存分いろいろな曲を楽しんでいる。気が付くと平気で2時間ぐらい聴き込んでしまうことも多いという。それがオーナーの「幸せな時間」なのだとか。曲は自宅のPCで管理してSDカードを使ってクラリオンの9インチナビであるNXV977Dで再生することがメイン。手持ちの音楽データをハイレゾ化するなど、PCでいろいろな処理を施して音の良さを追求するのも現在のオーナーの楽しみのひとつ。さらに多くの音源をデジ像に保存して、こちらでも多彩なジャンルの曲を楽しむという。奥さんや息子とドライブするときにはB'zやJ-POP、さらには息子の好きなアニメソングなどを再生して家族でも楽しんでいる。
あまりののめり込みぶりに会社の仲間からはあきれられているというが、オーディオの楽しさにどっぷり浸っているオーナー。オーディオ仲間とシステムアップやユニットの話をしているときが愛車で曲を聴いているときと同じぐらい至福の時間だという。まだまだ高音質を目指して次のシステムアップを考え中のオーナー、次なるグレードアップが楽しみなクルマだ。