オーナーの菊地さんが自らのフィーリングに合うスピーカーを探し求めてたどり着いたのがZRスピーカーだった。ブラックスのパワーアンプ&プロセッサーを組み合わせて、高音質&高いデザイン性を兼ね備えたクルマを岩手のサウンドフリークスが作り上げた。
ラゲッジのフロア&前面ウォールを使い
大量&大型ユニットを整然とレイアウト
高音質を追求して愛車のBMWに対して加工を加えてきたオーナーの菊地さん。コンペでも常に上位を狙う高音質を手に入れた。
トランクルームには大量のユニット群を凝縮してインストール。フロアにはパワーアンプ×2台がアピール度満点に設置される。
パワーアンプにはブラックのMX4 proをチョイス。最高峰のスピーカーを最高峰のパワーアンプで駆動するのが狙い。
トランク前方のウォール面にもユニットをインストールする。中央部にはブラックスDSPをビルトインしている。
数々のハイエンドシステムを経験してきたベテランユーザーの菊地さん。今回はメーカーのデモカーで聴いたZRスピーカーラボのサウンドに惚れ込んで、同ブランドのスピーカーを使ったフロント3ウェイの構築を目指した。ブラックスのパワーアンプ群やRSスピーカーのサブウーファーなど、脇を固めるユニットも超充実。そんな各部のインストールスタイルも秀逸だ。サウンド面に加えてデザイン面でも見るべきところが多いこのクルマまずは作り込まれたラゲッジから紹介していこう。
トランクリッドを開けると目に飛び込んでくるのが2面を大胆に使ったデザイン。フロア&前面ウォールをフルに使って大型ユニット群をすべて魅せるレイアウトしたのが見どころだ。フロア側にはブラックスのMX4 proを2台フラットインストール。ブルーのパネル面にブラックのフェイスパネルが浮かび上がり、存在感満点の仕上がりだ。
一方の前面ウォールには中央にブラックスDSPをインストール、その両脇にはオーディオテクニカのパワーレギュレーターをレイアウトする。こちらもパネル面をブルーで処理し、ユニットはアクリルで保護する構造。トランク内には各ユニットが整然とレイアウトされるスタイルもスマートで美しい。フロアと前面ウォールの2面をフルに使ったインストールが鮮烈なフィニッシュとなった。
フロント3ウェイのデザイン性に注目
ドア加工&Aピラー加工に見どころ満載
ドアの純正スピーカー位置にはZRスピーカーのミッドレンジをビルトイン、ミッドバスはドア下部を大幅加工して取り付ける。
AピラーにはZRスピーカーのツイーターをビルトイン取り付け。ドアミラー裏には超高域を担当するスーパーツイーターを取り付け。
サブウーファーにはRSオーディオの10インチユニットをチョイス。フロントスピーカーとマッチする質の高い低音を響かせる。
このクルマを作るきっかけになったのがオーナーとZRスピーカーラボとの出会いだった。メーカーデモカーを試聴した瞬間、そのサウンドに惚れ込んだオーナーは同ブランドのハイエンドモデルであるエクストラヴァガンスシリーズの3ウェイを組むことを決意。
取り付け面ではかなりの加工を擁しているのが見て取れる。ミッドバスはドア下部にワンオフ加工を施して取り付けているがそのデザインは純正ドアにラインを合わせて違和感が無いのも見どころ。内部にはドアの補強も加えて音質向上のための加工が込められた。ミッドレンジは純正位置に設置されているが、ユニットの取り付け面周辺には音響的&デザイン的に考えられた加工が施され、ミッドバスとのコンビネーションも絶好の仕上がりとした。
大型のツイーターはAピラーにビルトイン取り付けされる。存在感満点のフェイスプレートを持つツイーターなので、取り付けるだけでコクピットまわりを一気に華やかに見せている。ドアミラー裏には超高域のみをわずかに鳴らすスーパーツイーター(ハーマンの純正ツイーターを利用)を用いているのも独特。事実上フロント4ウェイとしたシステムもこのクルマの特徴と言えるだろう。
サブウーファーにはRSオーディオの10インチモデルをチョイス。トランクスルー部分から振動板をのぞかせ、質の高い低音を再生する。フロントスピーカーとのマッチングには細心の注意を払い、中低域のつながり感も高いレベルで仕上げられている。
DAPやDSPなどの高品質にもこだわり
システム全体の高音質を導き出している
ブラックスDSPをコントロールするダイレクターはセンタークラスター下部にさりげなく設置され操作性も上々。
音質を大きく左右することになるDAPにはアイバッソ・DX220Maxを用いている。音楽プレイヤーとしてはカナリーノも装備する。
菊地さんの思い描いたサウンドを追求してきたBMW。ZRスピーカーとの出会いがこのクルマを製作するきっかけになった。
オーディオコンペにもエントリーする菊地さん。音楽プレイヤーに対しても徹底して音質にこだわったチョイスを実施。このクルマで用いているDAPはアイバッソ・DX220Max。高品質な音声信号は、ハイエンドなDSPであるブラックスDSPにインプットされるというシステム。音楽再生から信号処理系までにも徹底した高品質ユニットを投入して音のクオリティを追求した。
ケーブル類はルーフ側を通すなど、音質向上のためにはどんな手段もいとわないといスタンスで、徹底した高音質マシンを作り上げた。普段使いからオーディオコンペまでに対応できるオーナーも満足のオーディオカーとなった。
ZRスピーカーラボのサウンドに惚れ込んでインストールを始めたこのクルマ。ベテランオーナーならではのこだわりを随所に込め、ショップとの二人三脚で作り上げた集大成となった。耳の肥えたオーナーさえもうならせる超高音質マシンの完成だ。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。