アゲ系のカスタムを施した塩沢さんのエブリイ。内装カスタムのみならずオーディオのシステム的にかなりヘビーでハイエンド。スピーカーにはモレルの3ウェイを組み高音質を狙う。茨城県のSOUND WAVEが手がけた高度なインストールも見どころとなる。
モレルの高級ユニットを使って高音質化
Aピラーとドアに3ウェイをインストール
ドアにはモレルのビルタス ナノ カーボンのミッドバスをアウターバッフルで取り付け。ドアパネルも製作しスマートさもピカイチ。
Aピラーにはモレルの38thモデルのツイーターとミッドレンジをインストール。限られたスペースを活用した取り付けが光る。
インパクト十分なAピラーへのスピーカーインストールに加え迷彩柄の差し色を使ったダッシュなど個性的なコクピットを作った。
足もとはオフ系タイヤを導入、加えてアゲ系フォルムで決めた塩沢さんエブリイ。デザインのポイントになっているのは縞鋼板の素材使いとブロンズパーツなどのヘビーデューティなパーツ群。そして迷彩柄でフィニッシュした内装各部の作り込みだ。前編でお伝えした通りラゲッジにはカスタム処理が施されたアンプラックを備えているが、コクピットまわりの作り込みもカスタムデザインを徹底し見どころ満点。
加えて高音質ユニットの投入もオーナーのこだわり。フロントスピーカーに選んだのはモレルの38th Anniversary Limited Edition。同シリーズのツイーター/ミッドの2ウェイに加えて同じく同じくモレルのヴィルタス ナノ カーボンのミッドバスを加えて3ウェイ化を実施。サウンド面でも鉄壁の作りとした。
ツイーター/ミッドレンジはAピラーへ取り付ける。38thモデルのミッドレンジはそこそこ外径も大きいため、ピラーの加工はかなり大胆。ダッシュ側と融合したデザインでミッドレンジを納めるインストールスタイルも独特な作り込みとなった。
またドアにはアウターバッフルでヴィルタス ナノ カーボンのミッドバスをインストール。モレル純正のグリルを用いつつ、ドアパネルと一体感の高いアウターバッフルでインテリアに溶け込むスピーカー取り付けを実施している。
ワンオフされたセンターコンソールの
ハイレベルな完成度が内装最大の見どころ
ワンオフしたセンターコンソールがコクピットのクライマックスのひとつ。間接照明を使ったイルミが効果を発揮している。
センターコンソールの先端部分にはDAPホルダーを設置。ウォークマンNW-ZX2を音楽プレイヤーとして用いる。
オーバーヘッドにはヘリックスのダイレクターをビルトイン取り付け。ブロンズ色に処理されたボディが輝く。
インテリアカスタムの中でももっとも注目すべきポイントのひとつがワンオフしたセンターコンソールだ。左右のフロントシートの隙間をぴったりと埋めるように設置されているコンソールはレザー仕上げのフレームの中にヘアライン調のパネルを設置、ここに反射するブルーイルミの間接照明を使ったライティングカスタムも美しい。限られたスペースながら複雑な構造で立体感のあるビジュアルに仕上げているのも製作ショップのテクニックのなせる技でもある。
さらにセンターコンソールの最前端部にはDAPを差し込み固定できるホルダーを備えている。使用するウォークマンNW-ZX2にぴったりサイズで設計されているのもワンオフならでは。さらにその後方には電圧計を備えるなど機能を持たせたカスタム処理が光る。単なるインテリアデザインとしてコンソールをワンオフするのでは無く、あくまでも機能パーツとして成立させている点もこのセンターコンソールの美点と言える。
ホイールにも採用しているブロンズ色もこのクルマのカスタムを彩る統一カラーのひとつだが、内装にもブロンズ色を取り入れている。オーディオ関連ではヘリックスのダイレクターもそのひとつ。オーバーヘッドにビルトイン取り付けしたデザイン性も光る。見やすく操作性にも考慮した作り込みもレベルが高い。
迷彩柄の処理をアイキャッチに利用
コクピットをカスタム色豊かに仕上げる
エアコンパネルやナビ周辺のパネルを迷彩柄で処理してインテリアのカスタム度をアップさせている。
ドアパネルも多くの部分を製作している。アームレスト脇のパネルは迷彩柄でフィニッシュし、内装の統一感を出す。
カスタムもオーディオも一切の手抜き無しで最上級を狙い続けるオーナーの塩沢さん。デザインにも独自のこだわりを持つ。
インテリアのもうひとつのテーマカラーとなっているのは迷彩柄。ラゲッジにも効果的に使われていた迷彩柄を、コクピットの要所にも差し色的に用いている。ダッシュボードまわりではエアコンパネルやナビのグリルを迷彩柄でフィニッシュ。ダッシュまわりのイメージを一変させているのも個性的な演出だ。
さらに迷彩柄はドアトリムにも用いられている。アームレストの上部のパネル部を迷彩側でフィニッシュ、グレー系の人工スエードで仕上げられたドアパネルに派手な迷彩柄が浮かび上がるデザインは、遊び心満点。ドアオープン時のインパクトも十二分だ。
高音質であることはもちろん、エブリイの内外装を思い通りにカスタムしたいというオーナーの塩沢さんの狙いに応えて、手の込んだカスタムを施した製作ショップであるサウンドウェーブ。ワンオフ加工や高度なトリム処理などを通じて外装のインパクトに負けないインテリアデザインを作り上げた。近年流行のオフロードテイストのアゲ系カスタムだけで終わるのでは無く、オーディオ面のレベルの高さも兼ね備えたエブリイ。オーナーの思いと製作ショップの技術が凝縮された一台となった。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。