初の3ウェイをノートで実践した岡本さん。しかしDSPアンプを使ったシステムとするなどシスタムをコンパクトにまとめることもテーマとした。ライトなシステムながら大阪府のサウンドステーション オートステーション K2と高音質のオーディを作り上げた。
DSPアンプで3ウェイを駆動する
ライトで高音質なシステムを目指す


以前は外部アンプを使ったヘビーな2ウェイシステムを組んでいたオーナーの岡本さん。しかしあるときにバッテリーの減りやユニット重量による車高の下がりが気になり、思い切ってライトなシステムにスイッチすることにした。
そこでノートには新しいシステムを組むことを決意。ただし普通じゃつまらないとこれまで経験したことの無かったフロント3ウェイをシステムすることにした。ライトなシステムを実現するために各スピーカーの駆動はDSPアンプで行い、コンパクトなシステムで完結させたのもオーナーの狙い通りだった。
フロント3ウェイの駆動と調整機能を一手に引き受けるのはラゲッジ・フロア下のスペアタイヤスペースに納めたヘリックスのP-SIX DSP mkII。これ一台でフロントスピーカーの増幅とすべての調整をこなし、ユニット点数を大幅に減らし同時にシステム全体の消費電力も抑えることに成功した。もちろんベテランユーザーなので音への妥協は無く、クオリティの高いDSPアンプ選びと高度な調整で高音質を引き出している。
インストール面で注目したのはヘリックスの操作部であるダイレクターの取り付けだ。センタークラスター下部にワンオフ加工してビルトイン取り付けされてるが、純正デザインを崩さないシンプルでスマートなもの。オーナーも「ボリューム操作がしやすい」と使い勝手の良さを高く評価している。
ヘビーなシステムになることを避け
音楽プレイヤーもシンプルなスタイルを貫く


ライトなシステムを標榜してノートを作り上げたオーナー。先に紹介した通り、パワーアンプはフロントスピーカー用はDSP内蔵アンプを用いる。一方、音楽プレイヤーも車載プレイヤーとしてスタンダードとなるカーナビをヘッドユニットとして使っている。
チョイスしたのはカロッツェリアのサイバーナビAVIC-CL901だ。高音質で定評のあるカーナビであり、プレイヤーとして用いるには不足無いセレクトとなった。サイバーナビからの出力はDSPアンプであるP-SIXにRCA入力し、調整機能などはP-SIXが担当する。
さらにもうひとつのソースとしてシステムに組み込んだのはラズベリーパイ(ラズパイ)と呼ばれる小型のPC。こちらは主に映像系のソースを再生する用途に用いている。音声信号部分はP-SIXに対して光デジタルで接続している。
いずれもコンパクトなユニットでもありライトなシステムを狙ったオーナーの狙いとも合致。DSPアンプであるP-SIXを中心としたシンプルなシステムデザインで、多彩なメディア再生と高音質を実現したのは幅広いユニットを知るオーナーならではだろう。
スピード感を重視したユニット選びと
ラゲッジを確保するインストールを実践



フロントスピーカーにはブラムのシグネチャーシリーズの3ウェイを導入している。詳細については後編で紹介するが、それに合わせて設置するサブウーファーはカロッツェリアのTS-W1000RSを用いる。十分な容量のエンクロージャーを組み、ラゲッジに設置されている。ドライブするパワーアンプはイートンのSDA-750.1をシステム。
先に紹介したラゲッジフロア下のスペースにDSPアンプと並べてインストール。そのためサブウーファーを設置したラゲッジフロア上はスッキリとした広いスペースを確保してる。「荷物が積み込めるようにスペアタイヤのスペースにユニット類を集中させました」とオーナーが言うだけにスマートなインストールとした。
オーナーが同サブウーファーを選んだ理由はそのスピード感の高さ。フロントスピーカーの音の傾向とも合い、サウンドの統一感とまとまりが出てくるのが魅力だという。イートンのパワーアンプで余裕の駆動をするのも狙い通りのサウンドの一因となった。
ライトなシステムをテーマにした岡本さんのノート。次回の後編ではブラムのユニット群を使ったフロント3ウェイのインストールなどを見ていくこととしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。