カーオーディオシステムの最上流にて活躍する「ソースユニット」。現在は、その選択肢がさまざまある。当特集ではそれら1つ1つについて、利点や使いこなし方を検証してきた。今回はその最終回として、車載用のスペシャル品をいくつか紹介していく。
◆ハイレゾ音源から映像ファイルまでを幅広く再生可能なメカがある!
まずはオーディオテクニカの、Hi-Resメディアプレーヤー『AT-HRP5』(税抜価格:9万5000円)から紹介しよう。昨今、ハイレゾ音源を車内で聴きたいと考えるドライバーが増えているが、当機はそういったドライバーに向いている。
なお近年はハイレゾ音源を再生可能な市販メインユニットも増えてきた。しかし車内でのハイレゾ音源の再生には「DAP」が使われることも多い。だが「DAP」には、運転中の操作がしにくいという弱点がある。
その点当機はリモコンが付属しているので、主要な操作を手元を見ずに実行できる。また、曲目リスト等は車載モニターに映し出せるので視認性も高い。
ところで当機はデジタルデータファイルの再生を幅広く行えることを特長としていて、音声ファイルのみならず映像ファイルまで広範囲に対応する。そして、音質性能が高いことも自慢だ。またHDMI出力端子も備えているので、HDMI入力端子を持つリアモニター等に高画質な映像を出力できる。
ハイレゾ音源はもとより映像ファイルも車内でさまざま楽しみたいと考えるなら、当機のチョイスはアリだ。
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◆プロセッサーとプレーヤーが一体化した注目機をピックアップ!
続いては、プロセッサーでありながらオーディオプレーヤー機能も搭載するユニットを2つ紹介していく。
まず1つ目はこちら、ザプコの『HDSP-Z16V AD-8A』と『HDSP-Z16V AD-16A』(ともに税抜価格:35万円)から。
ちなみにこれら2機種は価格は同一だが、コントロール可能なch数と動作サンプリングレートが異なる。前者はコントロール可能なch数は8ながら動作サンプリングレートは192kHz/24bitを誇り、後者は動作サンプリングレートは96kHz/24bitながら16chをコントロールできる。
で、両機ともHDプレーヤーを内蔵している。なおプレーヤーとプロセッサーが一体化していることにはメリットがある。それらがダイレクトに繋がるので伝送効率が良く、さらにはそれらを繋ぐケーブルが不要になるのでその分のコストもかからない。
ところで、『HDSP-Z16V AD-8A』の方はCDクオリティの音声ファイルも192kHzにアップサンプリングして再生し、『HDSP-Z16V AD-16A』では同じく96kHzにアップサンプリングして再生される(こちらは192kHzのハイレゾ音源に関しては96kHzにダウンサンプリングされる)。この点も利点だ。
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◆プレーヤー機能も持つ超ハイエンドプロセッサーも存在!
そしてもう1つはこちら、エタニ電機の『ETN-1』(税抜価格:88万円、受注生産品)だ。
ちなみにエタニ電機はもう20年以上も前からハイレゾ用測定器の提供を始めていたメーカーで、当機はいわば、その豊富な経験と実績の結晶ともいうべき1台だ。
ゆえに、搭載されているサウンドチューニング機能も他とは一線を画す特殊な性能を発揮する。例えばイコライザーは、位相を含む周波数特性の補正が可能だ。
そしてプレーヤー機能も有し、接続したUSBやHDDの音楽ファイルの再生を可能としている。ちなみに当機も192kHzまでのファイルに対応し、DSD(上限11.2MHzまで)についてはPCMに変換して再生できる。そしてその他のサンプリングレートのファイルもすべて192kHz/24bitにアップサンプリングして再生する。
なお当機でも、プレーヤーとプロセッサーがダイレクトに繋がるがゆえに効率的な再生が可能だ(ジッターの影響も最大限排除)。
超ハイエンドモデルにはなかなか手を出しづらいが、これらスペシャルな「ソースユニット」も存在している。覚えておこう。