カーオーディオでは「サウンドチューニング機能」が頼りにされることが多い。車内の音響的なコンディションが独特であり、しかし「サウンドチューニング機能」を駆使すれば、音響的な不利要因を是正可能だ。当コーナーではその前提に立ち、この操作方法を説明している。
現在は「イコライザー」の扱い方を解説している。で、ここまでは、各楽器の音域の範囲や各周波数帯の音的な特長を説明してきたが、今回からはどのバンドを操作するとサウンドがどう変わるかを具体的に説明していく。
では本題に入ろう。当回では、ドラムスとボーカルについて説明していく。最初はドラムスについて。
ドラムスに関してはまず30Hzあたりから125Hzあたりの周波数帯域を上げ下げすると、バスドラムやフロアタムの厚みが変化する。そして125Hzあたりから250Hzあたりを上げ下げすると、バスドラムのアタック感やバスドラムとフロアタムの厚みや太さに変化が現れる。
続いて250Hzあたりから1kHzあたりのバンドを上げ下げすると、スネアやタム類の音量感や存在感に影響が出る。そしてそのさらに上の1kHzあたりから4kHzあたりのバンドのツマミを上下させると、スネアやタムのアタック感や音の芯に影響が出る。
また4kHzあたりから8kHzあたりについては、スネアやタムの音の輪郭、ヌケ、そしてハイハットの切れ味に変化が現れる。そしてそのさらに上の8kHzあたりから16kHzあたりにかけての帯域については、シンバル類のアタック感や輝きに影響がおよぶ。
次いでは、ボーカルについて説明していこう。ボーカルに関しては、まずは30Hzあたりから125Hzあたりの周波数帯域を上げ下げすることで、低域の量感や太さが変化する。そして125Hzあたりから250Hzあたりを操作すると、声の太さや胸の共鳴感が変わってくる。
また250Hzあたりから1kHzあたりまでについては、声の響きや温かみ、そして厚みに変化が出る。さらに上の1kHzあたりから4kHzあたりのバンドのツマミを上げ下げすると、声の芯や輪郭、エッジ感に影響がおよぶ。またそれ以上の高いバンドについては、輝きや艶や透明感に影響が現れる。
なお1kHzあたりは、音が張り出すまたは引っ込むといったところに影響が出やすい。なので拍手や歓声の大きさについても、このあたりのバンドの上げ下げが影響する。参考にしてほしい。
今回は以上だ。次回はこれら以外の楽器について説明していく。乞うご期待。