無限は1973年に誕生。設立者は本田宗一郎氏の息子である本田博俊氏。レース活動をメインに行なってきていてF1にエンジンを供給し、通算4勝を挙げている。ちなみにいまだかつて日本メーカーのF1ウイナーはホンダと無限だけなのだ。
◆走りにこだわる無限のカスタマイズパーツでクルマが進化する
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そんな無限ではレーシングなパーツの供給から、近年はディーラーで扱われるアクセサリーパーツまで幅広く行われている。今回はホンダ『ヴェゼル』と『ZR-V』用のサイレンサー、パフォーマンスダンパー、スポーツサスペンションなどを木更津郊外の市街地をメインにインプレッションすることができた。
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ZR-Vで比較試乗ができたのはパフォーマンスダンパーとスポーツサイレンサー、無限ホイール装着の無限ZR-Vとフルノーマル。無限ホイール装着により純正車両は18インチ、無限車両は19インチとタイヤサイズが変わってしまっているので完全なる比較ではないが、乗り心地で静粛性で不利な19インチ仕様の無限ZR-Vで明らかな好印象を受けた。
パフォーマンスダンパーはボディのメインフレームの前端と後端に取り付けることで、フレームがしなるときの振動を抑えて乗り味を向上させるもの。ヤマハ発動機が製造し、自動車メーカーごとにサプライヤーが提供する。ホンダ車用は無限からリリースされている。
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無限のZR-Vに乗ると走り出しからクルマのスムーズさが増している。特にボディのフロアから来る微振動が抑えられている。これは静粛性アップにもつながるし、この微妙な振動を受け続けることがストレスとなり疲労感になるが、それが抑えられていて質感の良いシートと相まってリビングのソファに座っている感触に近づく。ソファに座って疲労する人はあまりいないわけで、同乗者が疲れるのはこういった振動を受けて、知らず知らずのうちにカラダがダメージを受けているから疲れるのである。
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パフォーマンスダンパー装着で特筆すべきはそのハンドリング。不思議と曲がったときにハンドルの舵角が一発で決まるようになる。ノーマルが一発で決まらないわけではないが、カーブを曲がる際にハンドルを切っていって、「このくらい曲がるかな?」と予想して曲がっていくわけだが、そこで微妙に誤差が生じてわずかに切ったり戻したりしているもの。それがパフォーマンスダンパーを装着した無限のZR-Vだとスーッと切っていったところでぴったんこで曲がっていける。
推測するに、ノーマルではハンドルを切ってボディにストレスが掛かることで、ボディがしなったり戻ったりを繰り返している。そのフレームのしなったり戻ったりによってハンドル舵角が決まず、微調整が必要になる。そこがフレームの動きをパフォーマンスダンパーが抑えることで、舵角がピッタリと決まり、運転が楽になるのだ。
◆排気と空力にも手を入れてスムーズなドライビングを実現
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そして、ボディの安定感を高めるのに純正テールゲートスポイラーに追加するタイプの、ガーニーフラップも効果を発揮している。ダウンフォースが発生していることを空力解析によって確認しているもので、高速道路での安定感アップに効いているだろう。
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スポーツサイレンサーはZR-Vでは無限初となる4本出しレイアウトにチャレンジ。同時にこれまでの無限製マフラーよりももっとアグレッシブなサウンドを実現。自動車メーカー系パーツサプライヤーとしてはかなりの快音を響かせる。同時にアクセル操作に対するエンジンの反応がよくなっていて、ドライビングしやすくなっている。現代ではマフラー交換はパワーの向上はそれほど期待できないが、アクセル操作に対するレスポンスアップによっは明らかにクルマが扱いやすくなっている。交差点を曲がってアクセルを入れたタイミングで素早くクルマが加速してくれるので、姿勢変化を楽しむことができる。そういったコントロール性向上パーツとしてスポーツサイレンサー導入は効果的だ。
◆ヴェゼルでも大きな効果を発揮する無限のカスタマイズパーツ群
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ヴェゼルでも同様にスポーツサイレンサーとパフォーマンスダンパー装着車に試乗した。こちらも受けた印象はまったく同じ。ZR-Vよりももうひとつフロアの振動を感じやすいヴェゼル。とくにフロアの振動が減少することでクルマのグレードアップ感が高い。
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こちらのスポーツサイレンサーはZR-Vのものに比べればジェントルなサウンドだが、アクセルレスポンス向上の効果は感じられる。こちらもやはりクルマの姿勢を作りやすく、曲がるのが楽しくなる仕上がりだ。
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そして、マイナーチェンジ前のヴェゼル向けに現在開発中なのが無限オリジナルサスペンション。無限では車高調から純正形状サスペンションまでリリースしていた。しかし、追従クルーズコントロールの普及から車高ダウンが難しくなり、長らくサスペンションのリリースはされていなかった。
だが、今回車高ダウン15mmを可能としたヴェゼル用サスペンションを開発。追従クルーズコントロールも問題なく使え、かつスポーティな乗り味を目指して開発中であるという。
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プロトタイプであるが試乗させてもらう。まず、車高が明らかに下がってスタイリッシュさが増している。ハンドリングは車高の低さとバネレートの高さ、それに合わせた減衰力によってスポーティな味付けとされている。ヴェゼルがもとから頭を振るようなサスペンションセッティングではないが、無限サスペンションによってコーナリングや車線変更中に頭が左右に振られる量が減っている。動き出しの部分はややスポーティさが強く、欧州スポーツカーのような味付け。BMWっぽいと言えば伝わるだろうか。スポーツ系ドイツ車に近い味付けなのだ。
前期型ヴェゼル用なのは長らく開発に勤しんでいるからで、まずは前期用を発売。将来的には後期用もリリースを目論んでいるが、思いのほか前期型と後期型はハンドリングが異なるので、そのあたりのアジャストが必要になるかもしれない。いずれにしても久しぶりにの無限製サスペンションの登場が待ち遠しい。
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ほかにもヴェゼル用パーツとして注目はホイール。1本あたり3.2kg軽量になっていて、1台分で12.8kgもの軽量化が可能。しかもバネ下重量だけにその恩恵は大きい。
これらのハンドリングパーツで明らかに走りのグレードを上げることができる。さすが無限と言わしめる仕上がりが確認できたのである。