ブレーキカスタムといえば、大きなキャリパー交換が見た目にも性能にも優れている。しかし、その価格は最低でも30万円。上は100万円オーバーはザラ。それでも交換するだけのメリットがあるから売れているのである!!
ブレーキのチューニングやカスタムの初歩はパッド交換。効きを合わせ込むことができるし、サーキットやワインディングを走るなら、純正パッドの効きが落ちてくる高温域での効きを確保することもできる。スポーツ走行にはパッド交換は必須のチューニングだ。
しかし、見た目は変わらない。
そこでキャリパーごと交換するカスタムが行われる。ブレーキパッドを押しているキャリパー本体は、ホイールの内側に鎮座。大径のスポーク数が多いホイールほど、キャリパーもど~んと良く見える。ここがレーシーな形状のスポーツキャリパーになっていれば、見た目の注目度はグッと上がる。ドレスアップ的な効果は絶大だが、いかんせんコストは掛かる。
比較的リーズナブルな2ピース構造のもので約30万円から。リアブレーキも交換すればその2倍近い金額がかかる。剛性に優れる1ピース構造のレーシングモデルになるとフロント用で100万円ほど。前後交換すると150万円は掛かる。
キャリパーは国内外のメーカーで作られているが、高い信頼性が要求されるパーツ。キャリパーにもしなにかあれば、即ブレーキが効かなくなってしまうわけだ。なので、実はそれほど多くのメーカーからは販売されていないし、実績ある信頼性の高いものを選ぶようにしたい。
国内ではエンドレス、プロジェクトミューなどが主なところ。海外ではブレンボ、AP、アルコン、D2など。安全性の要になるパーツだけに、謎の激安商品はパスしておきたい。
交換するとパッドが減らなくなり、でも扱いやすくなる!!
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とはいえ、コストがあまりにも高いという声は多い。しかし、キャリパー交換にはそれに見合うリターンもあるのだ。
まず、ブレーキタッチがこの世のものとは思えぬくらいカッチリする。ペダルストロークは少なくなり、カッチリとしたペダルは使いにくくなると思いきやその真逆。欲しい制動力の分だけ絶妙に調節ができるので、使いやすさはこの上ない。これはどこのメーカーの商品も同じで、純正キャリパーに比べたら圧倒的に剛性感のあるペダルフィールで、いつでもブレーキを踏むのが楽しくなる。
そして、通常、キャリパー交換をするときローターも大径にすることが多い。ローターが大径になると輪軸の原理でブレーキは基本的に効くようになるし、同じ制動をするならパッドとローターに掛かる負荷は減り、温度も上がりにくくなる。スポーツ走行や、高速度からの減速が多い場合にはこの部分のメリットが大きい。
たとえば、スポーツ走行を趣味とする場合、スポーツパッドを装着することになる。ローターが大径になればパッドは高温になりにくいので、ノーマルブレーキでスポーツ走行時に使っていたパッドほど、高温性能が必要なくなる。
簡単に言えば、ストリート寄りのパッドでもサーキットを走れるようになってしまうのだ。そうなればスポーツパッドは高いのでストリート寄りのパッドならコストを抑えられる。パッドの減りも少なくなるので、持ちも良くなるし、ホイールも汚れにくくなる。高速道路で高い速度からの減速時も同じように、ブレーキへの負荷は減らすことができるのだ。
例えば、86/BRZでサーキットを数回走ると、熱害によってダストブーツが破れてしまう。ダストブーツもシールも毎年のように交換が必要になってしまう。だけども、キャリパーを交換して大径ローターにすると、キャリパーのオーバーホールは車検ごとでも十分なほどに伸ばせる。そうなると、何年か乗り続けるとキャリパー交換のコストと、頻繁なメンテナンスのコストが逆転してくる。さっさとキャリパー交換すると、結果的に安上がりなのだ。
最新車両ほど電子制御のせいでブレーキへの負荷は増えている
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近年のクルマは電子制御が標準装備され、そのカットができにくくなっている。この電子制御がブレーキへの負荷を増大させている。
スポーツ走行時にはスピンを防ぐ目的や、クルマをもっと曲がりやすくするためなど、知らず知らずのうちにリアのイン側だけブレーキを掛けていたり、フロントのアウト側だけブレーキを掛けたりする。
ドライバーは知らぬうちにブレーキは作動して、知らないうちにブレーキへの負荷が増えているのだ。
キャリパーごと交換するとなると大幅なブレーキの効きの違いが出てくる。パーツメーカーではキャリパー交換による効きと、電子制御の相性など検証も行った上でキャリパーキットをリリースしている。そのためフロントだけ交換は誤作動の危険があるとか、そういったデータも持っているので、車種ごとにパーツメーカーの指南に従ったキャリパーチューンを施して欲しい。