2012年、ドイツから初上陸を果たしたFLUX(フラックス)。
日本のユーザーにとっては新進気鋭のブランドだが、本国では50年以上の歴史を誇る老舗スピーカーメーカーだ。その確かな品質・性能は、発売開始早々から巷で噂となり、マイカーライフでも特集を組んで実力を検証しリポートしてきた。
今月の当連載では、全国の有名プロショップにインタビューを敢行し、プロ目線のインプレッションをご紹介していく。FLUXの魅力の神髄が浮き彫りになるはずだ。乞うご期待!
第1回目にご登場をお願いしたのは、群馬の実力ショップ、ビヨンドの塩谷さん。まずはフラックスについてのファーストインプレッションから聞いてみた。
「フラックスを初めて聴いたのは、メーカーのデモカーでした。5グレードある中での丁度真ん中にあたる『マエストロ』シリーズの2ウェイが搭載されていましたね。セットで8万4000円のモデルです。まずはコストパフォーマンスの高さを感じました。角が立ち過ぎず丸過ぎず、かつクリアなサウンドで、これは紛れもなくHi-Fi方向のブランドだな、と思いました」
ちなみに、ビヨンドにやってくるユーザーの方々は、Hi-Fi指向が強く音質にこだわりのある人が多いとのこと。塩谷さんは、「フラックスなら、当店のお客様におすすめできる」とも思ったと言う。
次は、初めて実車への装着を行ったときのインプレッションをお伝えしよう。JLオーディオの上級モデルでフロント2ウェイシステムを組んでいたユーザーが、フロント3ウェイ化を検討。スコーカーだけを追加する形よりも、同一ブランドで3ウェイを組んだほうがベターだとの判断で、フラックスのフラッグシップモデルが選ばれたという。
「スピーカーを装着するにあたりデッドニングもすべてやり直しましたので、一概にスピーカーだけの性能比較はできないのですが、上から下まで、全帯域において良く鳴るスピーカーだと思いました。それでいて高域もきつくなく、締まった乾いた感じの低域も好印象でした。音楽のジャンルを選ぶこともないですね。お客様も相当に満足されていますし、良いシステムアップが出来たと思います」
さて最後に、塩谷さんの考える『フラックスの攻略法』をお聞きした。
「今回ご紹介したお客様のように最初から3ウェイ化することが目的の場合は例外ですが、そうでなければ、まず2ウェイから始めてみるのもおすすめですね。エントリーグレードからハイエンドまで、すべてのシリーズで2ウェイか3ウェイが選べるところがフラックスの特長ですが、最初は予算の中で最も上のクラスの2ウェイを選び、のちのち余裕ができたらスコーカーを追加する、というやり方がいいと思います。そうすると、2ウェイと3ウェイをそれぞれ楽しむことができるわけです。フラックスだからこそ可能な楽しみ方ですね」
どうせなら2ウェイと3ウェイ両方を楽しもうという考え方は、多いにアリだ。参考にしてほしい。
コストパフォーマンスが高く、オールジャンルで楽しめるスピーカー、そして楽しみ方の幅があるブランド、これが塩谷さんからお聞きしたフラックス評のポイントだ。Hi-Fi方向のスピーカーをお探しなら、フラックスの音も確認しておいたほうがいいだろう。お近くのプロショップにお問い合わせを!