DEERのスピーカーをシンフォニ・クワトロリゴのパワーアンプといった、池藤さんが認めたユニットだけを投入してシステムを構築したノートeパワー。大阪府のサウンドステーション オートステーション K2のデザインセンスも光る一台となった。
DEERのユニットが光る
ドアのアウターバッフル
コクピットまわりからラゲッジまでをオーディオ一色で作り上げたノートeパワー。好みサウンドが堪能できる仕様となった。
ドアに取り付けられているDEERのミッドバスユニットであるDJ170。アウターバッフルは限定的な面積ながらフィット感も満点。
ドアポケットをそのまま利用できる構造にするなど、使い勝手をスポイルしないインストールを施すのも見どころ。
低音の重みをテーマにした音作りを実践したベテランオーナーの池藤さん。前編でもお伝えしたとおり、スピーカーには好みのサウンドであるDEERブランドをチョイス。ラゲッジに設置したサブウーファーに加えて、コクピットまわりにインストールされるフロントスピーカーにももちろん同ブランドを選んだ。
ドアに取り付けられているのはDEERのミッドバスであるRJ170。純正ドアポケットを巧みに残しつつ、しっかりと効果的なアウターバッフルを作っている形状も、高音質とクルマの使い勝手を両立させるベテランならではの作り込み。滑らかにラウンドしたバッフル面はドア内張りのデザインともマッチし、純正内装にうまく溶け込んでいるのもインストーラーのデザインセンスのなせる技だ。
しっかりとした厚みのある中低域を再生するドアのミッドバス。サブウーファーとの絶妙なつながりも完成し、オーナーが思い描いた重くて厚い低域につながるキーとなるサウンドを再生している。
ツイーターの存在感を引き出す
Aピラーのデザイン処理も見どころ
個性的なデザインのDEERのツイーターRJ050。ピラーへビルトインするだけで十分に存在感があるフォルムだ。
ピラーの造形もツイーターに合わせてデザインするなど、音響的にもデザイン的にも綿密に計画されたAピラーだ。
AピラーにはDEERのツイーターであるRJ050をインストールする。ノートeパワーのピラー形状に合わせてピラーが分岐する部分をうまく使ってツイーターをビルトイン。ペーパーコーンとチタンを組み合わせた振動板を持つこのツイーターのサウンドをしっかり再現する精度の高い取り付けを完成させている点にも注目。
同ツイーターのデザイン面での特徴のひとつである振動板周辺をアウトラインするリング状のフォルム。Aピラーには振動板とともにこのリング部分も美しく強調されてるのも印象的。オーディオカーらしいツイーターの存在感を前面に押し出したデザイン処理だ。
ミッドバス、ツイーターともに振動板のアウトライン部分にキラリと光る切削部を設けているDEERのスピーカー群。コクピットでもドア、Aピラーにこれらのスピーカー群をレイアウトすることで統一感のあるデザインに仕上がっているのも見どころ。
ダイヤトーン・サウンドナビと
DAPをシーンごとに使い分けるシステム
普段使いに重宝するのがナビ。ここでも音質にこだわってダイヤトーン・サウンドナビをチョイスしている。
ヘリックスの操作部/表示部であるダイレクターをオーバーヘッドにワンオフ取り付け。操作性と視認性の良さは抜群。
コンペでの音楽プレイヤーとして活躍するのがウォークマンのNW-WM1Z。高音質化のカギのひとつになっている。
ドライブミュージックからコンペまで、オールマイティに愛車を楽しんでいる池藤さん。今後のシステムアップも楽しみな一台だ。
オーディオコンペでは音楽プレイヤーとしてDAPを使っているオーナーだが、普段使いでは使い勝手の良い車載ナビであるダイヤトーン・サウンドナビNR-MZ100PREMIを使う。音源をUSBに保存して再生するスタイルでドライブミュージックを高音質に楽しんでいる。
一方、ここいちばんのシーンで活躍しているのがウォークマンNW-WM1Zだ。定評のある高音質でコンペでも戦えるサウンドにはオーナーも満足している。音源はヘリックスのDSPであるDSP PRO mk2にインプットされ、前編でお伝えしたシンフォニ・クワトロリゴのアンプ群をコントロールする。サウンドチューニングにも細心の注意を払い、コンペで勝てる音作りを徹底追求した。
操作面での見どころはヘリックスのダイレクターをオーバーヘッドにビルトイン取り付けしている点だろう。コクピットまわりは純正のコントロールパネルがあるため、ダイレクターを設置する位置がなかなか確保できない。そこでチョイスしたのがオーバーヘッド。表示も見やすく、よく使うボリュームなども操作しやすい。ここでも高音質に加えて使い易さを追求したオーナーならではの取り付けスタイルが徹底されていると言えるだろう。
好みのサウンドを奏でるスピーカーを、最高の状態で鳴らすため取り付け&調整を実施した池藤さんのノートeパワー。大好きなジャズを心地よく聴ける環境を整え、日々のドライブからコンペまでをフルに楽しめる仕様へと作り上げた。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。