長年憧れていたフォーカルのユートピアMをインストールし渾身のシステムを完成させた山野さんのVW。DSPやパワーアンプにもこだわり、いきなりハイエンド化を実現した。福井県のcustom&car Audio PARADAが全面バックアップして製作が進められた。
サブウーファーにもユートピアMで統一
6チャンネルアンプで全スピーカーを駆動
愛車を手に入れて本格的にオーディオのグレードアップをはじめた山野さん。憧れていたフォーカルのユートピアMをスピーカーに選んでいきなりハイエンドなシステムを構築していくこととなったのは前編でお伝えした通りだ。
フロント2ウェイに加えてサブウーファーにまでユートピアMのSUB10WMをチョイスして、スピーカー群を統一したのも憧れのユートピアMのサウンドを全域で楽しみたかったから。加えてサブウーファーの音には人一倍こだわりがあった。
「迫力のあるサウンドを出すにはサブウーファーがすごく大切だと思っていました。きっかけになったのは中学生の頃に聴いた兄のクルマの音でした。低音がすごく響いていて心地良かったのが今でも印象に残っています。その印象があったので気に入ってるユートピアMのユニットを使って、しっかりエンクロージャーを組んでもらって最高の低音を再現してもらうことにしたんです」
ユートピアMのスピーカー群をドライブするためにパワーアンプにはザプコをチョイスした。しかもすべてのスピーカーを1台でまかなえる6チャンネルアンプのZ-150.6 IIをセレクト。将来的にフロント3ウェイにすることも想定してシステムの発展性を残したのもオーナーならではの計画性と言えるだろう。
単体DSPとパワーアンプをシステムに導入し
妥協の無いハイエンドなシステムを目指す
ユートピアMの2ウェイ+サブウーファーに加えて単体DSPとパワーアンプを組み合わせた山野さん。初めての愛車に対するシステムとしてはかなりヘビーでハイエンドなシステムとなった。
「システムとしては手軽なDSPアンプを使う手もありましたが、単体DSPとパワーアンプを組み合わせるシステムで、よりハイレベルなサウンドに仕上げたかったんです」
システム全体をコントロールするDSPには高性能で定評のあるヘリックスのDSP ULTRAをチョイス。
「ちょっと考えていた予算はオーバーしちゃっていたんですが、ボーナス時期だったので頑張れば買える金額だったので思い切って導入しました。高音質化のためにはスピーカーやパワーアンプももちろんですが、DSPの性能もすごく大切だと思っていたので、ここは妥協したくなかったんです」
こうして憧れだったユートピアMを中心としたシステムを完成させた山野さん。パワーアンプ、DSPにもいずれも高音質自慢のユニットを組み込み、狙い通りシステムデザインを作り上げた。好きなクルマを見つけて手に入れ、さらには憧れ続けたオーディオユニットを組み込んだ“夢のクルマ”が完成してオーナーも大喜びした。取材時点も興奮が冷めやらないムードが漂っていたのだった。
聴く音楽ジャンルの幅も広がるなど
オーディオライフも進化の一途をたどる
普段からクルマに乗ることが多い山野さん。通勤も愛車を利用しているので音楽に触れている時間も長い。
「朝、会社に行くときからかなりの音量で音楽を聴いています。高音質なのですごく心地良く音楽が聴けてテンションも上がりますね。仕事終わりにはそのままドライブに出かけることもあります。お気に入りなのは交通量の少ない工業団地なんです。そこはまわりに迷惑を掛けること無く大きな音でオーディオを楽しめるんです。クルマを停めて音楽をいっぱい楽しむことも多いです。ドライブ中に音楽を聴くのも好きなんですが、オーディオをインストールしてからはクルマを停めてじっくり聴くのが好きになりました」
ライブラリーに保存されている音楽ジャンルはJ-POPからクラシックまで多岐にわたっている。これはオーディオのシステムアップをしたのが要因になっている。
「オーディオのシステムアップをしてからは、いろんな曲が聴きたくなって、それまで聴かなかったジャンルの曲も試したりしています。それで徐々に聴く曲のジャンルが広がっていきました」
「ユートピアMのサウンドはまだまだ煮詰めていけると思っています。今後の音の進化も楽しみにしています。そのためにシステムアップも徐々に手がけていこうと思っています。いずれはフロント3ウェイ化やマルチアンプシステムにも興味があります。またスピーカーケーブルなどのグレードアップでどうなるのかも気になっています。DAPもグレードの高いものを導入したいと思ったり、いろいろとプランはあるので、これからもオーディオ沼で存分に楽しんでいけると思っています」
憧れていたユートピアMの音に満足しつつも、さらに上を目指しているオーナー。理想の音に近づけるために今後のシステムアップも既にプランしているようだ。今後の進化も楽しみだ。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。