BMW『M4』に似つかわしいインストールを考えて、あくまでも純正を崩さないデザインを静岡県のレジェーラにオーダーしたオーナーの宮田さん。コクピットまわりも徹底した純正志向。ぱっと見ではノーマルのままがだ高音質化は高いレベルで実現している。
◆BMW M4のインテリアイメージを崩さない
高音質なオーディオのインストールをオーダー
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憧れだったBMW M4を手に入れた宮田さん、オーディオユニットは基本的には前車からの載せ替えで対応したものの、もちろん取り付けはクルマに合わせて新規でプランしている。M4でのインストールのテーマは純正を崩さない取り付けだ。前編でもお伝えした通りラゲッジで純正のフロア下収納を巧みに使ったインストールを施したが、コクピットまわりでも同様にノーマル状態を崩さない取り付けが実施された。
フロントスピーカーとして選んだのはビーウィズのリファレンスAM。取り付けはオーナーの望み通りに純正位置にインストールするスタイル。ミッドレンジはドア中程にある純正取り付け位置を利用しているのがわかる。プロテクションも純正状態をそのまま利用しているので、よほどのオーディオマニアで無い限りスピーカーが変更されているのは見つけられないほどの徹底ぶり。メッシュグリルの隙間から見えるシルバー/ブラックの振動板だけが、わずかにリファレンスAMの存在を感じさせている部分だ。
コクピット全体を見渡しても、純正を加工しているのはセンタークラスター下部のダイレクターの取り付けのみ。徹底したストック主義を貫きつつ、ベテランオーナーが満足する高音質を再現しているのも製作ショップであるレジェーラの技術力の高さ故だろう。
◆純正のツイーターパネルを使って
リファレンスAMのツイーターをビルトイン
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ツイーターはBMW M4に純正採用されていたハーマンカードンのツイーターパネルを利用している。ドアミラー裏に設置された三角形状のシンプルなパネルだが、リファレンスAMのツイーターをビルトインするには十分なサイズ。取り付けスタイルも美しく、オーナーの望み通りにノーマルのスタイリングを一切崩すことが無い。スピーカーロケーション的にもそれほど悪い場所では無いため調整次第で高いパフォーマンスを発揮する取り付けでもあるのだ。
一方、BMW特有の運転席/助手席のシート下に設置されているミッドバスは純正スピーカーをそのまま使う構成。ツイーター/ミッドレンジにはリファレンスAMを用いて純正ミッドバスとの融合技でスピーカーシステムを構築してるのもベテランオーナーらしい自分流のセレクトと言えるだろう。もちろんサウンドの統一感も引き出して低音から高域までのつながりのあるサウンドを現出させているのも取り付け&調整を手がけたインストーラーのなせるワザだ。
ただし、次のステップアップではミッドバスは交換候補にあがっているとか。フロント3ウェイをまとめてハイグレードなスピーカーとすることで、さらなるサウンド向上を手に入れられそうだ。
◆ダイレクターのビルトイン加工では
車内へのフィット感の高いデザインを施す
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コクピットの加工で純正とは違うポイントはセンタークラスター下部のダイレクターのビルトイン取り付けだ。ただし取り付け精度の高さやデザイン的なフィット感の高さから後付け感はまったくない。元々ここには特に機能を持たないパネルが設置されているが、それを取り外して同じサイズのパネルを製作しダイレクターを埋め込むという加工が施されている。視認性や操作性、そして何よりもノーマルのイメージを崩さない取り付けを考えればベストな取り付け位置&加工スタイルと言えるのでは無いだろうか。
音楽プレイヤーには手軽な純正オーディオによる再生に加えてDAP(AK SA700)を用いている。普段使いからいざというときの高音質まで、使用シーンに合わせて音源をセレクトする使い方も、カーオーディオを長く楽しんできたオーナーならではの余裕の選択となった。
探し求めていたM4とついに出会った宮田さん、前オーナーは知人だったこと/ワンオーナーだったことなどもあって安心して手に入れることができたという。オーディオにも力を入れ、大好きなクルマと大好きなオーディオを融合させた愛車の完成度を少しずつ高めている最中だ。走りもサウンドもいずれも存分に楽しめる愛車はオーナーにとっての2倍楽しめる愛車になっている。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。