コンサート会場の音を車内で再現するべく製作された荒木さんのフォルクスワーゲン『ゴルフ6』。フロントスピーカーにはディナウディウオ+ピッコロIIを組み合わせた独自システムを採用。取り付けから調整までを大阪府のカーオーディオクラブが手がけ魅惑のサウンドを作り上げた。
◆大好きなディナウディオに加えて
ピッコロIIを組み合わせた独自システムを採用
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クラシックからR&Bまで幅広く音楽を楽しんでいる荒木さん。たびたび出かけるコンサート会場で体験した生々しいサウンドを車内で再現したくてシステムアップを実施し、現在のスタイルへと落ち着いたという。サウンドの根幹となるフロントスピーカーにはディナウディを中心にチョイス。もともと大のディナウディオ好きだという荒木さんは、このクルマへのインストールをはじめる際に「ディナウディオありき」でシステムデザインを考えたほどの入れ込みよう。そのサウンドには数々の経験から高い信頼を置いている。
しかし、スピーカーシステムを見るとツイーターにはモレルのピッコロIIを組み合わせているのが独特だ。あえて好きなディナウディオと定評のあるピッコロIIを組み合わせることで、さらに理想の音に近づくのではないかと予想しての選択となった。
Aピラーにはミッドレンジであるディナウディオ エソター2 430を、ドアミラー裏にはモレルのピッコロIIをインストールする。やや大径のミッドレンジをAピラーを大胆に加工して取り付けたスタイルも「ピラーの派手さが見どころです」とオーナーのお気に入りとなっているのも頷ける作り込みだ。
◆大幅加工を施したアウターバッフルながら
純正のインテリアイメージをうまく踏襲する
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ミッドバスはドア純正位置にアウターバッフルを組んでインストールされる。チョイスしたユニットはディナウディオのエソター2 650。純正のドア形状のイメージを踏襲しつつ、大きく加工されたドアは広いバッフル面を持たせた音重視の質実剛健な作り込みだ。
バッフル面はライトグレーのシボありのレザーで仕上げた純正のインテリアイメージを阻害しないデザイン、広めのバッフル面を確保するスタイルも独特。ディナウディオのスピーカーが持つポテンシャルをトコトン引き出すという思いが込められた。バッフル面の周囲はインテリアと合わせたダークグレーで仕上げられ、ドア形状に合わせた滑らかなデザインとしているのも見どころだ。
ドア前部にあったポケットを撤去するなど、大幅な加工を施しているのに気づかないほどスマートな作り込みで、純正インテリアとの調和の取れたスタイルに仕上がっている。ゴルフ6のドア形状を知らないユーザーが見ると純正と見間違うほどの高い完成度だ。
◆定番のウォークマンをプレイヤーに採用
音の入り口から出口までを好みの音で揃えた
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スピーカーをはじめとしたシステムとインストール、そして調整でコンサート会場で体感するサウンドを車内で再現することに成功した荒木さん。さらに音源のクオリティにも徹底してこだわる。音楽プレイヤーとして選んだのはオーディオコンペなどでもたびたび用いられる定番のウォークマンNW-WM1ZM2を使用。ホルダーを使ったシンプルなスタイルでコクピットに設置して操作性も確保している。
さらにシフトレバーの手前にはヘリックスのダイレクターを取り付ける。ボリュームやメモリー切り替えなど使用頻度の高い操作部だけに使いやすい位置への取り付けが必須となった。クルマの内装イメージを崩すことなくシンプルな取り付けとしている。
大好きなディナウディオのスピーカー群にツイーターとしてモレル ピッコロIIを組み合わせた独自のシステムを構築した荒木さん、サウンド面はもちろんインストール面でもしっかり主張するデザインと、純正インテリアにマッチする取り付けを両立させ、満足度も高い仕上がりとなった。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。