ユニット選びやシステムデザインにもこだわり、自分流のインストールを完成させることを目指した庵原さんのVW『ゴルフ』。高級スピーカーを鳴らし切るシステム、さらには左右独立のパワーアンプ使いなどを大阪府のカーオーディオクラブと共に作り上げた。
◆あえてナビヘッドと2ウェイを使って
最高級のサウンドを再現するのがテーマ


10数年前に地方へ転勤したことから移動の手段にクルマがどうしても必要になった庵原さん。クルマを買うと気になったのがオーディオだった。愛車の音質アップに興味を持ち、少しずつ時間を掛けてコツコツ自分なりのシステムアップをこなしてきた。その現在進行形のシステムが搭載されているのが今回注目した「ゴルフ4」だ。
こだわり派のオーナーはシステムデザインやユニット選びにも独自の価値観を持ちセレクトも個性的。現在のシステムのテーマは「ナビヘッド+2ウェイスピーカーでどこまで高音質を手に入れられるか」とした。そうしてカーナビに選んだのは高音質&高機能ナビとして定評のあるダイヤトーン・サウンドナビ300PREMI。調整機能を含めてナビヘッドを中心としたシンプルなシステムとしながら、高音質化を着実に実現するのもベテランらしい。
一方では自らが「一点豪華主義」だというのはユニットのチョイスだ。ずばり一点豪華なのはフロントスピーカーだ。選んだのはZRスピーカーラボのツイーターであるZR Prestige 25NとクワトロリゴのGrandosoのミッドバスであるCF165Wと、いずれもブランドを代表する超高級スピーカーであり、これらのユニットを組み合わせた2ウェイを構築。このスピーカー群を鳴らし切るためのシステム、インストール、サウンドチュージングを実施することになった。
◆左右独立でパワーアンプをシステム
小型パワーアンプ2台を足もとに設置


もうひとつのこのクルマでオーナーが徹底してこだわったのが左右独立のパワーアンプのシステム構成だった。チャンネルセパレーションを考えて左右のチャンネルを別々のパワーアンプでドライブするシステムを採用。パワーアンプにチョイスしたのはモスコニの小型モデルであるPico2。
超小型のこのパワーアンプを選んだのにはわけがあった。なるべくRCAケーブルやスピーカーケーブルを短くして音声信号の伝達ロスを少なくすること。そのためパワーアンプはコクピットのフロアにインストール。しかも運転席/助手席にそれぞれ右チャンネル/左チャンネルを担当する2台のPico2(パワーアンプ)をインストールしているのだ。限られたスペースに2台のパワーアンプを設置できたのもPico2が小型パワーアンプだからこそのスタイル。ここまで考えてユニット選びやシステム構築を実施しているのもオーナーならではのこだわりだろう。
◆助手席のフロア下には複数のユニットを設置
大半のシステムをフロントで完結させる作戦




パワーアンプをコクピットの足もとフロアにインストールして伝送経路を短くしたことは先に紹介したが、他のユニット類もまとめてフロントのフロア部にインストールしているのもこのクルマの見どころ。キャパシター、仮想アースといった電源系のユニットも含めて助手席のフロア下にインストール。上からはパネルを設置してフロアマットを敷き、フロア下に複数のユニットがインストールされていることを意識すること無く助手席を使えるようにしている。
キャパシターにはBA labのBE-101を用いて電源系の強化にも余念が無い。さらに光城精工の電源フィルター/仮想アースであるNVE-03をシステムに加える。さらにケーブルにはM&Mデザインの高品質モデルを用いるなど、周辺パーツのクオリティにも徹底してこだわり、先に紹介したスピーカー群の持てるサウンドを徹底的に引き出すことに成功している。
コンセプトを持ちシステム/ユニット選びからインストールまでにこだわり満載の庵原さん。次回の後編では一点豪華とこだわったフロントスピーカーやサブウーファーなどについて紹介して行くこととしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。