サーキットでも楽しめる車としてトヨタ『GRヤリス』を手に入れた上田さん。同時に音の良いオーディオも車内で楽しみたかったことから奈良県のBREEZに訪れ、シート下に複数のユニットをインストールするコンパクトで高音質な取り付けを実践することになった。
◆スポーツ走行にも対応する取り付けとして
パワーアンプ類をすべてシート下に収めた
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トレードインスピーカーの取り付けに始まってパワーアンプの追加やスピーカーのグレードアップ、さらにはサブウーファーによる低音の増強など、多方面からオーディオの高音質化を楽しんできた上田さん。以前乗っていたマーチから本格的なオーディオインストールをはじめ、現在の愛車であるGRヤリスへ乗り換える際には、それまでの経験を踏まえて現時点での理想のシステムを完成させた。
少しずつ進化してきた中で好みのサウンドも明確になってきた上田さん。“自然なサウンド”“ライブ会場にいるような音”を求めてユニット選びやインストールを実践している。
さらにGRヤリスはサーキットも含めてスポーツ走行を楽しむ愛車でもあるため、オーディオの取り付けにも細心の注意を払った。そのひとつがパワーアンプなどの重量物はすべてシート下に収めることで重量バランスを取った点。テーマとなったのは低く設置すること、車体の中心に設置することだった。その結果、運転席/助手席下に4台のパワーアンプとメディアプレイヤーを収める、コンパクトな取り付けが見どころとなった。
運転席下にはそのサウンドやクリア感に惚れ込んでセレクトしたクワトロリゴのパワーアンプ群が収められる。チョイスしたのは20周年記念の限定モデルであるINGOT(インゴット)1と2。下層にはサブウーファー用としてINGOT 2をインストール、さらにアンプラックを組んだ上層にはINGOT 1を2台設置して、ミッドバス/ミッドレンジをドライブするシステム。比較的コンパクトなクワトロリゴのパワーアンプとはいえ、ギリギリのスペース効率で収めた取り付けもお見事だ。
◆助手席下にはA級動作のパワーアンプと
オーディオプレイヤーをコンパクトに設置
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シート下にユニットをまとめて取り付けるというコンセプトは助手席側にも及んでいる。シート下をのぞき込むとクワトロリゴのプレシジョンワンがインストールされている。A級動作の同パワーアンプはツイーターの駆動を担当する。オーナーが気に入ったクリアな増幅の代名詞的なモデルとして音作りのキーにもなっている。
さらにシート前方に設置されているのはオーディオテクニカのメディアプレイヤーであるAT-HRP5。車載のオーディオプレイヤーを探している中で見つけ出したのがこのモデル。USBに収録した音源を高音質で再生できる点、車載ならではの使い勝手の良さなど、オーナーのニーズに合ったオーディオプレイヤーとなった。アクセスしやすい部分にUSB端子をレイアウトしているので、シート下への設置を感じさせない使い勝手をキープしているのも見どころ。
さらにシート下にはM&Mデザインのキャパシターや光城のボディアース強化ボックスであるVE-01を各パワーアンプごとに配置するなど、電源系の強化もしっかりこなして、パワーアンプの能力をフルに引き出す工夫も込めている。
◆フロントスピーカーと音色の統一を狙った
サブウーファーをラゲッジ隅に設置
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サブウーファーはコンパクトに作られたエンクロージャーをラゲッジの右サイドに設置する構造。ユニットとしてはブルームーンオーディオのWX250を採用している。このユニットを選んだのはフロントスピーカーにブルームーンオーディオを導入したことがきっかけになっている。
そもそもブルームーンオーディオとの出会いはショップの代車に取り付けられていた同ブランドのSXシリーズ・スピーカーだった。そのサウンドが上田さんが求めているナチュラル志向のサウンドだったため、すぐさま同ブランドのユニットをフロントスピーカーとして導入することを計画する。それと合わせるようにしてサブウーファーもブルームーンオーディオで統一するシステムとしたのだった。
サーキットでのスポーツ走行と高音質なオーディオの両立を狙った上田さんのGRヤリス。ナチュラルサウンドを追求するシステムデザインなどを厳選して、思い通りのシステムが完成した。次回の後編ではお気に入りとなったフロントスピーカーのインストールについて紹介していくこととしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。