ベテランミュージシャンのSKYLINEさんは、レコーディングの際に使うスタジオモニター的なサウンドを車内で再現したくてオーディオのシステムアップを開始。鳥取県のウェイブ トゥ ポートで音の追求を開始してついに理想の音にたどり着く。
◆探し求めたナチュラルサウンドを手に入れた
お気に入りのパワーアンプをトランクに設置
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ベーシストとしてレコーディングにもたびたび参加しているミュージシャンであるSKYLINEさん。愛車の日産『スカイライン』の中でスタジオモニターと同様のリアルなサウンドを再現したくてオーディオをシステムアップしたのがきっかけだった。その後は数々のシステムを経験して、いまではすっかりベテランとなったSKYLINEさん、現時点での完成形となったのがこちらのシステムだ。
特に注目したのがパワーアンプとスピーカー群のマッチングだという。モレルのスピーカー群をドライブするパワーアンプとして選んだのはアークオーディオのモデルだった。トランクにはフロア下にアンプラックが組まれて整然とユニット群をインストールする。見せる要素を込めるのではなく、あくまでも音質優先の取り付けで、ケーブルの取り回しを含めたレイアウトや冷却など、パワーアンプのパフォーマンスを引き出す取り付けとされている。
ラゲッジのフロアを開けると中央部にはDSP、両サイドにはアークオーディオのパワーアンプが合計3台インストールされている。こちらのシステムから奏でられるサウンドは「キラキラしすぎず、ドカドカにも鳴らない。作られた音ではなく、あくまでも色づけしないナチュラルサウンドを再生している」のだという。
◆モレルのフロントスピーカー群との組み合わせで
リアルサウンドを引き出すアークオーディオのアンプ
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フロントスピーカーに用いているのはモレルのイレイト38thモデルの3ウェイ。それをドライブするためにアークオーディオの4100SE-Exを2台用いている。トランクの左右に振り分けるようにしてインストールされるパワーアンプは、オーナーのお気に入りモデルらしくしっかり使い込まれたボディを見せている。さらにサブウーファーのドライブには同じくオークオーディオの2075SE-Exを用いて鉄壁のサウンドをサポート。このユニット群に落ち着くまでには、なんと15年もの歳月を要したという。
サウンドの方向性はリアルでナチュラルな音が基本となっているのだが、しっかりと大きな音が再生できることもキーワード。大音量も“リアル”のひとつであるというのがオーナーの考え方。実際のライブではオーディオで聴いているのとは段違いのラウドなサウンドが鳴り響いているのを知るオーナーならではの思想だ。
サウンドサスペンションの各種フィルター類を適材に配置しているのもオーナーの狙い。S/Nのアップでクリアさをより際立たせるのが狙い。余分な音を排除してクリアさを引き出すシステム構成としている。アンプラックには冷却用のファンを設けてアンプラックの温度管理を徹底し各ユニットのパフォーマンスをしっかり引き出すことを目指す。またカバーすることでトランクルームを純正状態と同様に利用できることもオーナーのこだわり。
◆モレルのサブウーファーを使って
低音再生能力も抜かりなくグレードアップ
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サブウーファーはトランクルームの前方を大きく使ってエンクロージャーを組んで設置されている。振動板はトランクスルーの部分からのぞき、車室内に質の高い直接音を届ける構造とする。高域から低域までを帯域のバランス良く再生するという思想が込められ、ライブでのリアルサウンドを再現するにも不可欠のシステムとなった。
サブウーファーのユニットにはフロントスピーカーと同じくモレルのユニットであるULTIMO Ti104をチョイスしている。しっかりと締まりのある低音サウンドを担当する。もちろんフロントの38thモデルとのマッチングも絶好で、サウンドの統一感も想像の通りだ。
自らがベースをプレイするミュージシャンであるオーナーが、リアルサウンドに徹底的にこだわって作りあげたこのシステム、熟成に熟成を重ねたサウンドは15年の歳月を経て完成の域に達した。次回の後編ではサウンドの根幹となるフロントスピーカーまわりについて紹介して行くこととしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。