カーオーディオ市場の中で独特な存在感を放つ“逸品”を毎回1つずつ取り上げ、それぞれが“逸品”たるゆえんを掘り下げている当連載。今回は、フランスの名門「フォーカル」の代表機種『K2 Power』の第4世代、『K2 Power EVO』シリーズにスポットを当てる。
◆同社伝統の黄色のアラミドファイバー振動板としなやかな音色を継承する、主力機!
フランス発「フォーカル」は、世界を代表するスピーカーブランドの1つだ。歴史も長い。創業は1979年。現社長のジャック・マユール氏の「世界最高のスピーカーユニットを創りたい」という理念の下、その社史はスタートされている。
なお同社は当初、オーディオメーカーにスピーカーユニットを供給するOEM専業メーカーとして活動を開始した。そうしてその中で技術とノウハウを蓄積しその後自社製品のリリースも始め、それらの確かな品質が評価され年々多くのファンを獲得していく。かくして今では、ホーム用、カー用問わずド級のハイエンドモデルから手頃なエントリー機まで、幅広く優秀機を取り揃えるに至っている。
ちなみに今回取り上げる『K2 Power EVO』シリーズは、同社のカー用スピーカー中の上から4番目となるミドルグレードスピーカーであり、しかしながら実質的な看板モデルだ。というのも同社がカー用のスピーカーを発売し始めた当時から、黄色のアラミドファイバー振動板としなやかな音色が同社のアイデンティティとして認識されることとなるのだが、歴代の『K2 Power』シリーズはそれらを脈々と継承してきた。
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◆ラインナップは計10モデル! 確かな実力を持つ「コアキシャル機」にも要注目!
その看板ラインが約7年半振りにリニューアルされ『K2 Power EVO』シリーズとなり、2023年の12月25日にいよいよ発売となる。
では、ラインナップを紹介していこう。シリーズ中には1つのコアキシャルモデル、5つの2ウェイキット、1つの3ウェイキット、そして3つのサブウーファー、計10アイテムが居並ぶ。
コアキシャルモデルは、165mm2ウェイの『EC 165 KE』(税抜価格:7万8000円)だ。ちなみにコアキシャルスピーカーは取り付け性が高くさらには音のまとまりが良いという利点を持つが、中級機以上の製品は少な目だ。その中にあって当機は強い存在感を発揮する。確かな実力を持つコアキシャルスピーカーを探していたというのなら、当機のチェックをお忘れなく。
そして2ウェイキットは第4世代となりサイズ展開が1つ減り、以下のような内訳となっている。100mm2ウェイコンポーネントキットが1機種あり、165mm2ウェイコンポーネントキットが1機種増えて計4モデル展開となっている。
ちなみに追加された1機種とは、『ES 165 K2S』(税抜価格:11万4000円)だ。当機はミッドウーファーが薄型であることが特長で、その取付奥行寸法は10万円を超えるモデルでありながらわずか58mmにとどめられている。取り付け性の高いハイグレードスピーカーが欲しいとなれば、当機は格好のターゲットと成り得る。
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◆3機種ある通常の165mm2ウェイキットも、『EVO』シリーズへと順当進化!
そして、あと3機種ある165mm2ウェイコンポーネントキットの顔ぶれは以下のとおりだ。『ES 165 KE』(税抜価格:8万8000円)、『ES 165 K2E』(税抜価格:10万8000円)、『ES 165 KX2E』(税抜価格:15万8000円)、これらだ。
また3ウェイコンポーネントキットの名称は『ES 165 KX3E』で、その税抜価格は22万8000円(税抜)となっている。
続いては、新シリーズに投入されている特長的な技術について説明していこう。まずは、2023年7月に発売されたニューカマー、『K2 Power M』シリーズに投入されている革新的な32mmツイーター『FRAK』が、『ES 165 KX2E』と『ES 165 KX3E』に採用されていることがトピックだ。そしてそれ以外の2ウェイキットのツイーターには、M型断面アラミドドーム振動板(特許技術)が採用された25mmドームツイーター「TKME」が使われている。
またミッドウーファーにも、サラウンド(エッジ)部の振動の乱れをコントロールすることで中域周波数特性や指向特性、歪特性を改善しようとする、「TMD:チューンドマスダンパー(特許技術)」が採用された「TMDアラミドコーンウーファー」を投入するなど、振動板や磁気回路等に独自技術が多々盛り込まれている。
「フォーカル」ならではの美音をコスパ高く手に入れたいと思ったら、『K2 Power EVO』シリーズは見逃せない。要注目。