トヨタ『ハイエース』の純正サウンドが不満でスピーカー交換を実施した堀江さん。しかし、さらなる音質アップを目指して千葉県のアークライドに向かい既存のスピーカーのポテンシャルを引き出すためのシステムアップを実施。同時に内装のカスタム処理もスタートさせる。
◆ハイエースの純正サウンドをどうにかしたい
そんな思いが高じてプロショップで相談開始
仕事用のクルマとして購入したハイエース。車種選びにはあまり選択肢は無く、仕事で必要な積載量などの関係で大きな1BOX=ハイエースが必要だった。しかし、仕事の間長時間乗ることになるハイエースにはひとつの不満点があった。
「ハイエースはこれで2台目なんですがノーマルの音が悪すぎるんです……。それで今回はクルマを買うときにスピーカーを交換したりAピラーのキットを取り付けて音にはある程度こだわったんです」
フロントスピーカーにはブラムのセパレート2ウェイである165RSをチョイス、リアスピーカーにはキッカーCSシリーズのコアキシャルモデルをエアコンの吹き出し口脇に取り付けしている。
「この状態である程度は満足していたのですが、しばらく乗っていると“もっと音を良くしたい”と思ってきたのでオーディオのプロショップに行って相談してみようと思ったんです。以前調べたことがあって、家からも近かったアークライドがすぐに思いついたので行ってみることにしました。アークライドに初めて行ったときの印象は、オーディオの知識があまりない自分でも安心して相談できる感じで、いろいろ自由に自分がやりたいことをリクエストすることができたと思います」
◆システムアップとしてパワーアンプとDSPの追加を決め
スピーカーのポテンシャルを存分に引き出す手法を採用
アークライドに着くと高音質化の相談を始める。しかし、一般的なユーザーと違っていたのはすでにスピーカーは交換済みだったこと。
「まずはスピーカーはこのままで高音質化したいと思ったんです。音に関してはもっと広がりや厚みを出したいと思いました。それがどうすれば良いのかはわからなかったんですが」
定番のスピーカー交換では無く、既存のスピーカーを生かしつつ音の厚みや広がりを出したい、そんなちょっと変化球のリクエストに対してショップからはパワーアンプとDSPの追加が提案される。
「スピーカーを変更しないで高音質化する方法としてパワーアンプの追加などがあることを知りました。これならムダもないし効果も高そうなのでオーダーすることにしたんです」
スピーカーを駆動するためのパワーアンプにはロックフォードのR2-300X4をチョイス。さらに、これまではナビの内蔵機能に頼っていた音の調整をハイレベルにするためにDSPにはヘリックスのDSP-MINI MK2をシステムに組み込むことにした。そして取り付け場所としてはリアシートの下なども候補に上がったものの、内装カスタムの意味も込めて思い切ってセンターコンソールをワンオフ加工することにした。
◆パワーアンプの影響で音の厚みがアップ
DSPによる目の前から聞こえる音像定位も得る
まもなくしてアークライドでのシステムアップが完成。パワーアンプ+DSPを追加したシステムになって初めての試聴を実施する。
「完成したサウンドはまさに狙ったとおりでした。音の厚みがぐっと出てきて良い感じ、音の隅々までの明瞭に聴こえるように感じます。またDSPで調整した影響だと思われるのですが、音が高い位置から聴こえてくるんです。まるで目の前で演奏しているように音場なったのがまったく新しい感覚でした。システムアップする前に、少しもの足りないと思っていた部分はすべて解消されてました」
既存のスピーカーシステムを生かしつつグレードアップするという、エントリーユーザーには少しハードルの高いテーマとなった堀江さんのハイエースだったが、プロショップの的確なアドバイスもあり、パワーアンプ+DSP追加で狙い通りの高音質化が実現した。インストール面でもセンターコンソールをワンオフするところまで話が進み、完成したデザインにも大満足した。
次回の後編ではちょっとわがまま言ってワンオフしてもらったセンターコンソールについて詳しく紹介していくことにしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。