2025年テストシーズンが再開した独ニュルブルクリンク。“グリーンヘル”で捉えたポルシェ『911ターボ』改良新型のプロトタイプは、カモフラージュがほぼ削がれている。ワールドプレミアは車両の状態からして今後数週間以内だ。
ポルシェは2024年秋、フェイスリフトされた911ターボファミリーが2025年後半に生産に入ることを発表、「GTS」と同様のハイブリッドパワートレインを搭載することも明らかにしている。
最新プロトタイプを約半年前に目撃された「911ターボS」プロトタイプと比較すると、フロントエンドのビニールシートやエアインテークを覆う偽装が取り除かれている。3本の細い水平バーはなく、5つの垂直フラップが露出している。ヘッドライトは911フェイスリフトと同じで、LEDデイタイムランニングライトと方向指示器が一体化され、バンパー上部のデイタイムランニングライトふうのデカールのみ偽物だ。
足回りでは、中央ロックナット付きの鍛造合金ホイールとカーボンセラミックブレーキが印象的。リアセクションも刷新され、いちばん外側に垂直の通気口が設けられ、新デザインのクワッド(4本)エキゾーストパイプが採用されている。また、センターセクションとリブのアクセント、リフレクターの再配置も確認できる。
内装では、ロールケージはないものの、後部座席がない。運転席には、湾曲した12.6インチのデジタル計器クラスターと、10.9インチのインフォテインメントシステムを搭載するはず。
スペック情報は詳細まで確定していないが、現行の911ターボには、最高出力580ps、最大トルク749Nを発揮する3.7リットル水平対向6気筒ツインターボエンジンが搭載されている。いっぽう「ターボS」では、同じエンジンによって最高出力649ps、最大トルク799Nmまで強化される。
新型のパワートレインについては、統合型電気モーターを搭載する「911GTS」がヒントになるだろう。新開発の3.6リットル水平対向6気筒エンジンと、最大54ps/40kWと149Nmのトルクを生み出す電気モーターとの組み合わせで、システム合計出力は539ps、最大トルクは608Nmを発揮する。バッテリーパックは1.9kWh。
GTSでは前モデルと比較して60psの増加があった。ターボラインアップも同様に向上するなら、出力は710ps/522kW程度と予想される。