カーオーディオに興味を持ちつつも「なんとなくとっつきにくい」、そう感じているドライバーは少なくないようだ。そのように思わせてしまうのは、「分かりづらいこと」が多々あるからだろう。当連載では、それら「分かりづらいこと」の意味を1つ1つ解説している。
◆「カーオーディオ・プロショップ」は、電気配線作業においてもバリューを発揮!
現在は、「カーオーディオ・プロショップ」について解説している。これまでは、「カーオーディオ・プロショップ」がスピーカーの取り付けにおいて専門技術を持っている理由、そこに行けばさまざまな製品と出会える理由を説明した。それに引き続いて今回は、彼らが「電気配線作業においても知識と技術を有しているその理由」を解説する。カーオーディオ製品を取り付ける際には、電気配線作業も必須となる。そしてその作業には専門的な知識と技術とが必要となる。さて、そうである理由とは…。
ちなみに家庭での電化製品の使用においては、電源線の取り扱いについて特別な知識は必要ない。常識的な使い方をする分には危険も少なく、誰でも気軽に使用できる。対して車内で電装品を使う際には、電源配線作業は簡単には行えない場合が少なくない。
簡単ではない理由は「後付けの機器の使用が想定されていないから」なのだが、それを敢えて後付けの機器を付けるにあたっては安全性への配慮も必要となる。その点も、配線作業を難しくさせている。
なお、安全性への配慮が必要となる理由は以下のとおりだ。クルマでは「ショート」が起こり得るからだ。これに対するケアが必要で、そこには知識と技術が不可欠となる。
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◆「ショート」が起こると、クルマが燃える!?
ところで「ショート」とは、「電気のプラスとマイナスとが直結した状態」のことを言う。例えば乾電池で豆電球を光らせるとき、豆電球は電気の流れの一種の“抵抗”となるわけだが、その配線上から豆電球を取り除いてプラス線とマイナス線が直結すると、“抵抗”がなくなるので一気に大量の電気が流れ出す。
クルマでは、このような状況が簡単に起こり得る。なぜなら、「クルマのボディにマイナス側の電気が流れているから」だ。クルマでは電装品の配線を簡略化させるために、プラス電源は車両のメインバッテリーからケーブルにて取り込むものの、マイナス側はケーブルを使わなくても良いようになっている。ボディがマイナス線のかわりを果たすからだ。電装品のマイナス側の配線は、電装品の近くでボディに接続すれば、電気はボディを流れて車両のメインバッテリーへと帰っていく。
なので、プラス側のケーブルがどこかで断線して導体がボディに触れると、それにて即「ショート」が起きる。そうするとボディに触れたプラス側のケーブルに一気に大量の電気が流れてケーブルが溶け出し、最悪車両火災に発展することも有り得てしまう。
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◆プロは「ショート」が起こらないような配慮を多々盛り込む!
なので「カーオーディオ・プロショップ」がカーオーディオ機器の電気配線作業を行う際には、「ショート」が起こらないように細心の注意が払われる。
具体的には、以下のようなことが成される。例えば外部パワーアンプのプラス配線は車両のメインバッテリーから直接電気を引き込む「バッ直」が実行されるのだが、そのプラス側のケーブルのメインバッテリーの近くには「ヒューズ」が組み込まれる。
「ヒューズ」は、設定されている値よりも多くの電気が流れると自ら切れる仕組みを持っている。なのでこれを配線上に組み込んでおけば、「ショート」が起こって大量の電気が流れ始めるとすぐに切れ、「ショート」をストップさせられる。
カーオーディオ・プロショップ」は他にも、ケーブルがシートレールに挟まって断線しないようにそれから離して配線したり、ケーブルを保護するためのコルゲートチューブを巻いたり、さまざな部分に配慮を盛り込む。
カーオーディオの取り付けにおいてはこのように、良い音を実現するための技術のみならず、安全に関する知識と技術が必要となる。「カーオーディオ・プロショップ」はそれも持っている。ゆえに頼りになるのだ。
今回は以上だ。次回も「カーオーディオ・プロショップ」がバリューを発揮するその理由についての解説を続行する。お楽しみに。