ラゲッジの10台のモノラルパワーアンプを設置する圧巻のインストールが見どころとなった根本さんのメルセデスベンツ『GLC』。ベテランユーザーの根本さんが青森県のingraph(イングラフ)でデモカーを聴いてこのアンプの惚れ込んだのが製作のきっかけとなった。
◆大量のユニットをインストールしつつ完全フラット化できる積載性重視のラゲッジ
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オーナーの根本さんがベースプレイヤーであることもあって、低音の鳴りには特にこだわってシステム組み&インストール&調整を実施したメルセデス。フロントスピーカーにはイートンの5ウェイ(!)をインストール。そんなメルセデスはスピーカー駆動のシステムも超充実。ベテランらしいド級なシステムとなった。
パワーアンプ、DSP、さらにサブウーファーをフラットにインストールすることでオーナーのオーダーである「荷物が積める」ことを実現。大量のユニットを詰め込んでいながら、床下スペースなどを巧みに用いて完全フラットを実現できる機能的&美しいインストールに仕上げている。
ユニットのベースパネルにはグレー系の人工スエードを用いて、ダーク系のユニットの引き立て役になっているのもデザインの妙だろう。周囲はカーペットを用いて純正のラゲッジと融合させている。駆動力満点のシステムを組むことで低域の質・量共にオーナーも満足の仕上がりとなった。
◆思い入れのあるモノラルパワーアンプを導入、DC/DCコンバーターも含めて2層構造で設置
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ラゲッジで見どころなのはスペースの前方に床下取り付けされたパワーアンプ群だろう。ユニットとしてチョイスしたのはマイクロプレシジョンの7シリーズMONO×10台。このパワーアンプは製作ショップであるイングラフのデモカーで用いられたユニット、そのサウンドに影響を受けたオーナーの根本さんが愛車に導入することを決定したものだった。さらに同じく7シリーズのDC/DCコンバーター×2台。合計12台のユニットをラゲッジ前方のスペースにインストールしているのだ。
コンパクトなモノラルアンプではあるが、これだけの数をインストールするのはかなりのスペースを要する。そこでこのクルマは床下を使った2段階のインストールで対応している。しっかりと下段のパワーアンプも魅せる処理で奥行きのあるラゲッジデザインにしているのもポイント。
ズラリと並んだプレシジョンパワーのモノラルパワーアンプ+DC/DCコンバーターだが、よく見ると全部で14台のユニットが詰め込まれている。本来ならば10+2=12台なのだが、残りの2台は実はダミー、両サイドの設置された筐体の中身は実はリアスピーカーだ。ちょっとした遊び心でデザインもサウンドも向上させた。
◆DSPやサブウーファーなどもフラット設置、フロアの作り込みも実用的でオーナーの望み通り
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ラゲッジ手前のスペースにはリゾルトの16チャンネルDSPであるM-DSPをインストール。一方の左サイドにはカロッツェリアのサブウーファーであるTS-W1000RSをインストール。システム全体をコントロールするDSPはハイレベルな調整で狙いのサウンドを引き出している。同時に定番のサブウーファーはフロントスピーカーとのつながりも計算され尽くされ、オーナーが望んだ低音再生をしっかりと表現している。
ラゲッジにはプロテクションが用意され、全ユニットをカバーして荷物も無理なく積載できる完全フラットなフラットスペースができ上がる。パネルはエア抜き加工が施され音抜けはもちろん熱対策も万全。ヘビーなシステムを安定して駆動させるための工夫でもある。
ハイエンドなシステムを組んだ根本さんのメルセデス、次回の後編では狙い通りのサウンドを引き出すために選んだフロントスピーカーや充実のシステム構成、さらにはコクピットまわりのインストールについて紹介していくこととしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。