ホイール設計に革命を!BBSの『FORTEGA』が切り開く新時代の幕開け…東京オートサロン2025 | Push on! Mycar-life

ホイール設計に革命を!BBSの『FORTEGA』が切り開く新時代の幕開け…東京オートサロン2025

東京オートサロン2025のBBSブースには初日の朝一番から多くの関係者が詰めかけた。注目となったのは新素材・FORTEGAを用いたホイールがついに市販モデルとしてお披露目されたのだ。

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BBS…東京オートサロン2025
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東京オートサロン2025のBBSブースには初日の朝一番から多くの関係者が詰めかけた。注目となったのは新素材・FORTEGAを用いたホイールがついに市販モデルとしてお披露目されたのだ。

新素材“FORTEGA”で生み出す新しいホイールの価値とは

多くの来場者を集めた会場で開催されたプレスカンファレンスに登場したのはBBSジャパン代表取締役 社長である新田孝之氏、その壇上で華々しく発表されたのがホイール用に開発された新しいアルミ素材であるFORTEGA(フォルテガ)を用いたホイールの市販化第一号モデルである「FL」だった。昨年の同イベントでプロトタイプが発表されたフォルテガ、1年の時を経て熟成されて、いよいよ市販が開始されることになった。今シーズンの同社のキャッチフレーズである「ここに1本の革新がある。」が表すとおり、10年ぶりに登場した新素材フォルテガにより、ホイールに革新を巻き起こすという意気込みが感じられる出展となった。

「BBSはマグネシウム、ジュラルミン、アルミ、フォルテガの4つのホイール素材を用いるメーカーです。それぞれが素材ごとの特徴を持っているので説明しておきましょう。まずは“密度(軽さ)”が最も優れているのがマグネシウムです。F1などのモータースポーツで用いられるのはそのためです。一方、超超ジュラルミンは“強度”(引っ張り強度)の高さが特徴です。その結果、スポークを細く設計できるなどの設計上の魅力があります。

そしてフォルテガは“剛性”が高い素材であることが特徴です。剛性という指標は物理的にはヤング率と呼ばれる数値で表されます。これは力が掛かったときに曲がりにくい・形状を保持しやすいことを表す数値です。そのためフォルテガは車重の重いBEVや大型SUVなどのホイール(大径化した場合でも)が、大きな力を受けてしなる際にも形状を保持しやすいのが大きな特徴です」

このように、それぞれの素材の特徴を生かしたホイール作りができるのがBBSの強み。“形状”によるモデル分けのみならず、“素材”の使い分けを設計の要素に加えることでモデルごとの得意分野を分けることができるのがBBSならではの強みだ。

大幅な軽量化を実現したフォルテガの実力とは

さらに、昨年行われた試乗会の模様も披露された。プレスやレーシングドライバーを集めてiX3にFLを履いたテスト車両を試乗、そのフィーリングを評価した内容が開示された。純正ホイールに対して約22kgの軽量化がなされたFL、それだけで発進・制動のフィーリングが向上することが予想されるのが、実際にはそれ以上に旋回時のフィーリングが改善することが紹介される。

「試乗した95%のドライバーが“曲がるときに違いを感じる”“ハンドルを切った際の応答性が良くなった”と答えています」

と語ったとおり、スペックの良さだけではなく、乗り味を追求してドライビングの操作感を大切にして開発してきたことから生まれたフィーリングの良さもBBSの開発陣の自慢のポイントなのだ。

細部を知ることでより強くフォルテガの実力を感じる

このように新素材であるフォルテガはホイールの材料として非常に興味深いものであることがわかった。そこで、もう少し突っ込んだ話を伺うためにBBS開発本部 本部長である村上貴志氏にフォルテガを使った開発の魅力について話をうかがった。

「フォルテガはアルミに対して剛性(ヤング率)が10%アップします。そのため高荷重のクルマ、例えばBEVや大型SUVなどの大径ホイールを設計するのに適した素材だと言えます。しかし開発を続けていく中でフォルテガの魅力がそれだけでは無いことがわかってきました。それは剛性が高いが故に、さまざまな方向にホイールの特性を合わせていけるのです。“自由度が高い”とも言えるでしょう。例えば今回開発したFLは走りのジェントルさをテーマにしています。ターゲットにしたクルマに合わせたフィーリングをホイールに持たせることができるのも剛性の高さが根底にあるからなのです。フォルテガの可能性が高いと感じているのはこの部分です」

さらにアルミ、ジュラルミン、マグネシウムとホイール素材を幅広く扱ってきたBBSが、新たにフォルテガを“手札”に加えたことも大きな意味があるという。

「例えばアルミ素材だけでさまざまなホイールを作るとなると形状による開発が主になり限界があります。しかしここに素材の選択が加わるとできることが大きく増えます、つまり形状に頼らない設計ができるのです。それがBBSではアルミ、ジュラルミン、マグネシウム、フォルテガと4つあるのが強みです。フォルテガを使ったホイールが完成して、これらを使い分けて最適なホイール設計ができるスタートラインに立ちました。これはBBSにとってのホイール作りの新しい時代の幕開けだと思っています」

フォルテガは素材の開発がスタートしてから10年以上の歳月が過ぎ、ついに市販ホイールとして世に出ることになり、その第一段として4月1日から発売が開始されるFL(フォルテガ鍛造1ピースホイール)。さらにオートサロンの初日(10日)からポルシェ・タイカン向けのFL・200本/50セットの受注を開始(デリバリーは2025年8月上旬予定)。価格は21インチ×9.5J IN53=47万8500円(税込)、21インチ×11.5J IN50=49万5000円(税込)。

ブースには新発売が発表されたFLを装着したポルシェ・タイカンに加えて、レクサスRX500h、BMW iX3にそれぞれFL(いずれも参考出品)が装着され展示された。新素材フォルテガを用いたFLの魅力を全面的にアピールしたBBS、ハイスペックホイール好きならずとも見逃せないブースとなった。

遂に市販化を実現したBBS フォルテガの詳細はこちら
《土田康弘》

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